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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 86


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「くそっ、まだ追ってくる!死体の分際でホントしつこいなっ!」

その頃。パーティの中で孤立してしまったラムサは、森の奥で何とも不気味な敵に追われていた。
彼女を追うのは死体の塊。
無数の死体が寄り集まってできた、巨大なアンデッドモンスターだった。
しかしその姿の醜いこと醜いこと。
外見だけ言えば四ツ足歩行する巨大カエルと言ったところか。
その辺に転がってたものを片っ端から材料にしたらしく、人間だけでなく獣や魔物のものと思われる部分がちらほらと飛び出ている。
おまけに腐乱死体まで取り込んだらしく、歩くたびに腐った体液やら腐臭やらを撒き散らしている。
聖龍の血を引くラムサにはあまりにキツすぎる相手だ。
あんなグロテスクな化け物に斬りつけるのも嫌だった。
なので適当にあしらって撒いてやろうと思ったのだが。
巨体になるほど死体を取り込んだせいか、アンデッドとは思えないくらいに足が速い。
おまけに身体から緑色の触手を伸ばし、捕まえようとしてくるので思うように走れないのも痛い。
かれこれ10分以上も追われ続けたラムサも、そろそろ我慢の限界に達しつつあった。
かと言ってあんな生々しい腐肉の塊に斬りつけるなんて冗談ではない。
もちろん遠距離からの攻撃手段がないわけでもないのだが、相手はアンデッド。
生半可な攻撃をしても、ダメージを受けたことすら気づかず攻撃してくるかもしれない。
いや、それくらいならまだいい。
もしよけた瞬間にうっかり傷口からあふれた腐汁を浴びたりしたら・・・。
その最悪の姿を想像してラムサは思わず身震いした。
問題はヤツを一撃でしとめるのに、少々時間が必要なことだ。
その手段はなくもないが・・・あの巨体に効くかどうか。

(これはちょっとした賭けになるな・・・。うまくいってくれよ?)

ラムサは天に軽く祈ると、両手を硬質化させて周囲の木々を走りながら片っ端から切り始めた!
根元から切られた木々は支えを失い、次々と倒れていく。
倒れる先にあるのはラムサを追う巨大アンデッド!

バキィ・・・!バキ、バキキ・・・!

倒木をまともに食らうアンデッド。
だがその巨体と痛覚のなさゆえにその進行は止まらない!
もちろんラムサも、1〜2本であれの動きを止められるなんて思っていない。1本や2本なら。

バキ、バキキ・・・!

次々とラムサに切られた木々が巨大アンデッドに倒れかかる。
1〜2本の倒木をもものともしないアンデッドだったが、何本も連続、または同時に来られてはたまらない。
痛みを感じないまでもその動きは自然と鈍くなっていく。
そしてその様子を見ていたラムサは計画通りといわんばかりの笑顔を浮かべると、逃亡をやめて攻撃態勢に入る。
右手を地面に向けた状態で力のすべてをそこに注いでいく。
一点に集中された力は右腕に変化をもたらす。
硬質化した右腕が青白く輝くオーラが出始め、まるで陽炎のように揺らめきだした。

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