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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 83


――――

その頃、アレスとエリアたちはと言うと。

「・・・遭難者のなれの果て、か」

迷いの森をさまよい歩いた結果、今までの風景とは違うところにたどり着いていた。
霧に覆われているのは相変わらずだが、木々には植物のツルが異常なくらい絡み付いていて、足元には先客のものと思われる骸骨がそこかしこに散らばっていた。
骨はみな折れ、砕かれた形跡がある。魔物に襲われたようだ。

「・・・!アレス」

そのときエリアがアレスに声をかける。
アレスもその意を汲んだのか、無言でうなづく。
すると周囲の茂みからざわざわと、風もないのにざわめきだす。
アレスたちが静かに、しかし気を抜くことなく千党体制に入ると同時にそれは起こった。

ガサッ!ガサッ!ガササッ!

突然茂みが大きく動いたかと思うと、中からたくさんの何かが飛び出してきた!
アレスとエリアはそれに合わせて剣やナイフを抜き取り、飛び出してきた何かを切りつけた!

ザシュッ!ドシュッ!

「ギイイィィッ!?」

人間のものとは思えぬ甲高い悲鳴とともに何かがボトボトと落ちる。
それは切り捨てられてなおもうごめく、植物とも生き物ともつかぬ細長いツタや牙を持つ花の残骸だった。

「マンイーターの仲間か何かかッ!」
「アレスっ!」

茂みから飛び出した怪奇極まりない植物の群れの猛然と切りかかるアレス。
そしてエリアはそれに合わせるかのように光の玉をアレスに放つ。
光の玉はアレスに命中すると、薄い光の膜となってアレスを包み込む。
神聖魔法でステータスを一時的に強化したのだ。
植物系の魔物は生命力が強く、しぶといものが多い。
そのハンデを克服するため、敵の種類を確認すると同時にすばやくサポートに入ったのだ。
この辺は長らく幼馴染として過ごしてきた時間も手伝っているのだろう。
アレスとエリアは絶妙なコンビネーションで、瞬く間に植物モンスターたちを迎撃した。

―――キンッ、

「・・・ふぅッ。これで全部・・・かな?」
「みたいね。まだ油断はできないけれど・・・」

エリアの言葉にアレスもうなずく。
あたりにはツタや花の残骸がそこかしこに転がっている。
生命力が強いのでまだ動いているのもあるが、そのうち枯れてしまうだろう。
だがそこには本体らしい球根や木の幹はどこにもない。

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