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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 84

おそらく襲ってきたのは、挨拶代わりか本体の使い走りということなのだろう。
あれだけの数を考えると大元もかなりの数、または大物ということになる。
どちらにしろ気をつけるに越したことはない。

「で、これからどうするの、アレスちゃん?
 ここから離れる?それとも進む?」
「進もう。どの道、戻ったところで森から出られるわけじゃないんだから」

エリアの問いにアレスは迷いなく即答。
この森を広大な迷路に変えているのは、この先にいるであろうモンスターの仕業であるとも言い切れないからだ。
エリアも質問というより確認のために聞いたらしく、アレスの問いに満足そうにうなずく。

「よし、それじゃあ進むぞ」
「ええ。・・・とちょっと待ってアレスちゃんっ」
「え?」

いきなり出鼻をくじかれ、きょとんとするアレス。
どうしたのかと思えば、エリアはアレスの袖をまくり、その下にある傷口をあらわにした。
先ほどの戦闘でついたと思われる擦り傷だった。

「ちょ・・・エリア?」
「動かないで。解毒魔法をかけた後、治療するから。
 神々よ、汝の子供たる敬虔なる信徒を邪悪な力から救いたまえ・・・」

エリアは動揺するアレスを黙らせると、さっそく解毒の呪文の詠唱を始めた。
若草色の光がエリアの両手に灯り、傷口を浄化していく。
エリアの真剣な表情に、アレスは改めてエリアが僧侶の技術を持っていることを実感した。
普段は天然入っているし、村では露出の多い服を着て踊り子をやっていたので忘れがちになるが、本来の彼女はこのようにとても優しく、気の利く女性なのだ。
彼女を嫁にもらう男は、きっとエリアに尽くされて幸せな夫婦生活を送ることになるのだろう。

(・・・そー言えば、エリアがオレに告白されたってことがみんなに知られたとき、村中の仲間たちから手厚い祝福を送られたっけなー・・・)

傷の手当てをしてくれるエリアを見ながら、アレスはふとそんなことを思い出す。
あの時は大変だった。村でも評判の美女であるエリアの心を奪った男として、村中の男たちから小突き回された。
一時は身の危険を感じ、犯罪者の逃亡生活の真似事までやったことがある。
あのときのアレスは恋愛になんて興味なかったし、その後両親を失うなどの出来事があったので結局うやむやのままだが・・・。
今、考えてみるとマリーと言い、ウルゥと言い、自分がいかに恵まれていたかが実感できる。
ラムサが嫁宣言したとき、手ひどい目にあったのは当然のことだったのだろう。
アレスはふと自分の一生分の女運を使っているような気がして、妙な不安に駆られた。

「・・・ん、これでよし。もう大丈夫よアレスちゃん。
 ・・・アレスちゃん?どうしたの?」
「ん!?あ、ああっ、そうか!あ、ありがとうっ!!」

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