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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 81


「な、何を・・・っ!?」
「迷わないための対策よ。糸で結んでいてもダメだったらこうして手をつなぐしかないでしょ?
 それとももっと密着してほしい?」
「いえ、これでお願いします(断言)」
「何で即答なのよ・・・?」

こうしてアレス&エリアペアは何やら妖しい雰囲気を残しつつ先を急ぐ。
その先にあるものは地獄か死か。

――――

一方、諸悪の根源であるラムサはと言うと。

「・・・うーむ、参ったな。
 あれだけ大見得切っておいて、いきなりはぐれてしまうとは」

アレスたちからそう遠くないところの土手の下、その茂みの中でひっくり返りながらそんなことをつぶやいていた。
歩いている途中で妙なモノを見かけたせいで、気を取られて足を踏み外してしまったのだ。
ラムサ、痛恨の不覚であった。
しかしいつまでも後悔したところで時間は戻らない。
彼女はすぐさま思考を切り替えて茂みから脱出した。
そしてしっかりした足取りで『ある場所』へと向かう。
そこはラムサが転んだ現場のすぐ近く。そこの木の根元でしゃがみこんで何かを採取した。
それは子供が絵に描いたような、まんまるツルツルのキノコ。
そのキノコは深い山に住んでいたラムサにとって、見覚えのあるキノコであった。

「『カスミダケ』か。
 メルディアのヤツ、巣の防犯のために森中にコイツをまいたのか?」

カスミダケ。それは人里から遠く離れた深い森や山で生息すると言われるキノコだ。
別名『マヨイダケ』とも言われるキノコで、キノコ自体は無毒で大変美味だが、霧を発生させる性質があり、旅人の方向感覚を狂わせる。
この霧の濃度からして、かなりのキノコが生えているのだろう。
魔力で作ったものならいざ知らず、キノコの生態ではラムサにその正体がわからなかったのも納得だ。
・・・とそこまで考えてラムサはある疑問にぶつかった。

「・・・待てよ。それならなぜこの森に入ったものが出てこない?」

この森には入り口があり、舗装こそされていないが踏み固められてできた道があった。
分かれ道があるのかもしれないが、それでも入ったものが1人も帰らないというのはおかしい。
そもそもいくらメルディアだって人間を殺すような罠を仕掛けるとは考えづらい。

「・・・どうやらこれ以外にも何か裏があるようだな。
 それもメルディア以外の何者かの・・・。
 これは1つ調べてみる必要があるな」

ラムサはメルディア以外の何者かの悪意に屈辱と怒りをにじませながら、1人森の奥へと進んで行った。

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