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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 80

何しろ彼らは毎日が常在戦場のサバイバル生活。
ちょっとした油断やミスが死を招く。
確かに狩人たちもその感覚がないわけではないが、それはあくまで人間レベルのこと。
サバイバルの達人であるモンスターとは比べ物にならない。

「念のため目印に木の枝を折ったり傷跡をつけようかと思ったけど・・・。
 やるだけ無駄だな。これじゃ傷をつけたところで目印が見えやしない」
「みんな、しっかり糸を持っとけよ?この状態ではぐれたら何もできないからな!」
「大丈夫だ、我は人間より鼻が利く。もし誰かはぐれそうになったらすぐに教えてやるぞ?」

心配する必要などない、自分に任せておけとばかりに言い放つラムサ。
しかしこの数十分後。
パーティ最初の行方不明者がこのラムサになるとは誰も予想だにしていなかった。
・・・訂正。事態はもっと悪い。
正確には彼女の行方がわからなくなることで、後続のマリー、ウルゥまでいなくなり、パーティはいきなりバラバラにされてしまうのだった。

「だーっ!?何が『かはぐれそうになったらすぐに教えてやる』だッ!
 自分が即行ではぐれてんじゃねえか!?
 しかもウルゥとマリーまで巻き込んでっ!」
「ホント困っちゃったわね・・・。3人とも大丈夫かしら?」

エリアはそう言いながら、5人を結んでいた糸の切れ端を見つめていた・・・が。

「・・・エリア?言葉とセリフが合ってないんだけど?」
「え?あ、いや、嫌だわ、私ったら不謹慎な!」

そう。エリアはこの非常事態に、にんまりと笑顔を浮かべていたのだ。
それははぐれても大丈夫という仲間への信頼と、ほれた男と2人っきりになった幸運への感謝に他ならない。
白状と言えば薄情な話である。
エリアはあわてて気を取り直して顔を引き締めると体裁を取り繕う。

「ま、まぁあの3人なら大丈夫でしょう。
 マリーちゃんがしんがりを務めていたから、ウルゥちゃんとはぐれることもないでしょうし。
 ラムサちゃんも五感は鋭いようだから、1人になっても自分で何とかできるでしょう」
「そ、そりゃそうだけど・・・」
「・・・となると問題は私たちのほうね、アレスちゃん。
 私たちはマリーちゃんやラムサちゃんみたいな探知能力や経験なんて持ってないし・・・。
 とりあえず私たちはマリーちゃんに教わった方法を使いながら森を脱出することを考えましょう」

エリアはそう言って早々に話を打ち切ると、突然アレスの手を握る。

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