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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 79

もともと森という環境から薄暗いことは予想していたが、その森はまるで夜を切り取って貼り付けたような風景であった。

「マリー、ラムサ。どうだ?魔物の気配とか、そういった異常とかわからないか?」

アレスがこの場で一番頼りになりそうな2人に声をかける。
ちなみに前回は成り行きでメイド服を着ていたマリーだが、森の中ではメイド服が破れるということでスパッツに長袖のシャツ、ブーツといった狩人衣装を着込んでいる。

「う〜ん・・・無理、だな。さすがに狩人でも戻ってこないってだけあって、中の様子は全然わかんねえ。
 魔物の気配だけはしっかり伝わってくるけどな」
「我も似たようなものだな。この霧からは何の力も感じない。
 この霧は自然に発生したもののようだ」

聖龍であるラムサと探知能力に優れたマリーがそう言うのならば、アレスたちにもお手上げだ。
後は中に入って力ずくで抜けるしかない。
アレスは外からの調査をあきらめると、荷物から5つのきれいな小石を取り出し、みんなに配る。
迷いの森攻略のためのマル秘アイテム、その名を光石という。
魔力がこもった不思議な石で、近くに同じ石があると引っ張り合う作用がある。
他にも迷子防止用の糸や対策などを本職のマリーから用意してもらっている。

「よし。それじゃあ行くぞ。
 みんな霧の中ではぐれないよう、しっかり糸を持っておけよ?」

おう、と言うみんなの返答を受けてアレスたち一行は霧の中へと入っていく。
迷いの森の霧は予想以上の濃さだった。
数メートルほど進んだだけでもう入り口の景色が見づらくなっている。

「うわあ・・・」
「こいつぁ・・・まいったな」
「本当ね。これじゃあ前に進むのも大変そうだわ」
「予想以上の濃霧だ。こりゃ行った連中が戻ってこないと言うのも納得だな」

あまりの濃霧にそれぞれ感想を述べる面々。
ちなみに最後のマリーの言ったセリフは、単に道に迷いやすいと言う意味だけではない。
敵(モンスター)の不意打ちを食らいやすい、ということも含まれている。
こんなに濃い霧の中では視覚なんてほとんど役に立たない。
となれば、それ以外の感覚・・・聴覚や触覚、嗅覚、第六感などがものを言う。
視覚以外での探知能力となれば、弱肉強食の世界に身をおいているモンスターほど長けているものはいない。

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