5大聖龍とその女達 71
「でもなー。忘れてねえか?オレの宿主もしっかりオマエにホレてんだぜ?」
「・・・ッ、テメエ・・・!何考えてやがる!?」
魔物ウルゥの言い回しに何か危険なものを感じたアレスは動揺と不安を押し殺しながら、彼女に問う。
しかし返ってきたのは、さらに不安をあおる不気味な微笑みと意味深な言い回しだった。
「なぁに、大したことじゃねえよ?
兄弟にはちょっと思い出してもらうだけさ。
オレの宿主もアンタの大事な人間だってことを、なぁ・・・?」
その瞬間、魔物ウルゥはカクリと力なく頭をたれた。
何をする気だ?アレスがそう思ったそのときだ。
ウルゥの身体が小刻みに震え始めた。
呼吸が不自然に荒くなる。
魔物ウルゥは何をしようとしていたのだろうか―――!?
「あ、アレス・・・さぁん・・・」
「ッ!?(アレス『さん』、だとっ!?)」
「こ・・・れぇッ・・・何なんです、かぁッ・・・?!
か、身体が熱くて・・・おなかがうずくんですよぉ・・・ッ!?」
再び顔を上げたとき、そこには魔物ウルゥはいなかった。
いたのは異様なほどの身体の火照りに戸惑う1人の少女。
「あ、あの野郎・・・ッ!?」
顔を紅潮させ、瞳に涙をいっぱい浮かべた人間ウルゥが、そこにいた。
切なげな表情にアレスは一瞬魔物ウルゥがまた芝居しているのかと思ったが、すぐに違うとわかって介抱しようとする。
この辺は同じ時間を共有してきた幼馴染だからこそわかる、特殊な感覚なのだろう。
「た、助けて・・・。助けてください、アレスさぁん・・・っ!?」
「ど、どうしたウルゥっ!?」
アレスが駆け寄ると、ウルゥは力のない手でアレスの服を握る。
どアップで紅潮した顔を見せられ、さしものアレスも思わずドキリとする。
「か、身体が・・・熱いんです。胸もおなかもジンジンして・・・!?」
「だ、大丈夫かっ!?」
「ひゃうッ!?」
あまりの様子に、アレスがとりあえずベッドに寝かそうと触れたその瞬間だった。
ウルゥは突然雷に打たれたかのように背筋を伸ばし、ビクビクと痙攣した。
驚いたアレスは反射的にウルゥから手を離すと、彼女はその場に力なくへたり込んだ。
顔の紅潮は身体全体に及び、全身がピンク色に染まっている。
そしてアレスがウルゥの胸と股間からは不自然なシミが浮き出ているのを見たとき、彼は直感的に悟った。