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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 69


「そんなに急ぐ必要ねーんじゃねえのか?」
「たわけ。汝の目は節穴か?まわりをよく見てみよ。
 ここに入ってくる行商人の装備やそのまわりの用心棒たちを、な」

ラムサに言われて見てみると・・・。
行商に来ているのに荷物が少なかったり、大人数で来ている連中がいたりしている。
それに中には明らかに農産物ではない、武器や防具などの物騒な代物を持って来ている連中もいる。
馬車で運んでくるヤツならともかく、単独で売り込みに来る人間までもがあんな重い荷物を背負ってくるなんてちょっと変だ。

「それに魔物たちの様子もおかしい。
 街道沿いで何度も襲われるなど、普通ではまずありえないことだ」
「でもそれはゾーマの影響のせいじゃ・・・」
「そうかも知れんが、旅する以上はあらゆる危険に敏感になっておくべきだ。
 地図では大丈夫でも、途中で足止めを食らうことなどよくある話だからな」

ラムサの言い分に、アレスたちは少し考える。
しかしみんなはともかく、ウルゥの様子を見る限り宿を取ったほうがいいのも確かだ。
どうしようかと考えていると・・・。
ふとアレスの視界に、こちらをじっと見ているラムサが入った。
彼女はアレスがこちらを見たことに気づくと、ウルゥのほうにちらちらと目配せする。
それを見て一瞬何かと思ったが・・・アレスはすぐにあることに思い至った。
彼女の身体には寄生した魔物が巣食っている。
ヤツはアレスとの子供を欲しがり、ウルゥを盾に脅迫までしてきた。
もしかしたらウルゥの様子もアイツの・・・?
ラムサはそれに気づいて、急に情報収集なんてしようと言い出したのか?
エリアとマリーはまだウルゥに巣食う魔物の存在を知らない。
もし誰かに知られれば、ウルゥが魔物として処刑される恐れがある。
そう思った瞬間、アレスの頭は急激に冷えてきた。
そうだ。自分は何を悠長なことを考えていたのだ。
自分はゾーマの前にウルゥを助けなければならないのに。
アレスはラムサの気配りに心底感謝しながら口を開いた。
「とりあえず、俺はウルゥを宿に連れ行って寝かせてくる。そうだな、あの宿にしよう」

アレスは目の前にある一軒の宿を指差した。
外観はレトロな造りで風情ある建物だ。

「皆には疲れているところ悪いけど、この街である程度情報収集をお願いしたい。俺もウルゥを寝かせたら、すぐ行くから」

「まあ、アレスがそう言うなら。あっ!ウルゥちゃんに変なことしないでよ」

「しねぇよっ!!」

エリアに茶化されながらも、皆渋々納得いてくれた。

そういう訳で今はラムサたちと別れてウルゥと一緒に宿泊する宿に来ている。

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