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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 51

「そうだ、お前は俺の種族の繁殖に手を貸せ、もし断れば……この女を殺すっ!」

「何っ!?」

突然突き付けられたボアライダーとの交渉。
だが交渉と言ってもこれは脅迫といっていい。
ウルゥを殺すだと?

「ふざけんな!そんな条件呑めるか!」

「ほう、だがいいのか?この女がどうなっても?」

ウルゥは近くに落ちていた木の棒を拾い、自分の首に向ける。
その棒は先が鋭く尖っており、自分の身体を貫くには十分だった。

「やめろ、そんな事したらお前も、ウルゥも!」


「フッ、だがそうはいかないんだよ。今この身体は二つの人格がある。俺とこの女だ。今俺がこいつにこれを刺せば、この女は死ぬが、俺は生き残る。さあどうする?」

「くっ!!」

この交渉はアレスにとって非常に不利な条件だった。
ボアライダーの条件を呑めば、ウルゥの命は一応助かるが、今日のような惨劇がまたこの村に、いやさらに別の村にまで及ぶ可能性もある。
それに、ボアライダーもいつかウルゥを殺す恐れもある。

「あきらめろ、お前にはこの条件を呑むしか道はない」


「そんなこともないと思うぞ?
 いっそライバルが減ってくれたほうが私は助かる」
「「ッ!!」」

突然聞こえてきた声のほうを振り返ってみれば、そこにはいつやってきたのか、リンゴをかじるラムサがそこにいた。

「ラムサ!?いつの間に!?」
「最初からだ。そこの女から、人間のニオイに混じって変なニオイがしたものだから、ちょっと尾行させてもらった。
 それよりも・・・魔物の分際で抜け駆けをするとは、ずいぶんとナマイキなヤツだな?」

ゾクン・・・ッ!

ラムサから放たれる殺気で周囲の空気の温度が下がっていく。
アレスはあふれる殺意と衝撃の言葉に、背筋を冷やしながら声を出す。

「魔物・・・だとっ?!」
「ああ。おそらくあの死に掛けた魔物の吹き矢には、寄生系の魔物のタマゴでも仕込んでたんだろう。
 本来ならそれでおまえが魔物の兵士となるはずが、その女が身代わりになったせいでこのような手段をとらざるを得なくなった。
 ・・・違うか?」
「・・・クッ。ククッ・・・。よくもまあ証拠もなしにそこまで推測できたもんだ。
 貴様も魔物か何かなのか?」

嘲笑で肯定しつつ、質問を返す魔物のウルゥ。
しかしその言葉はラムサの激論に触れる言葉であった。

「ふざけるな、この寄生虫がッ!!
 この!我が!!誇り高き『聖龍の剣』である我を!
 よくも魔物風情と一緒に・・・ッ!!」
「ま・・・待て、ラムサ!まだそいつの中にウルゥがいるかもしれないんだ!
 傷つけるんじゃないッ!?」
「甘いぞ、アレスッ!魔物に寄生された時点で分離する方法などないッ!
 この下賎な魔物はこの場で殺すッ!」

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