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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 47


「アレス。気にするなとは言わん。
 だがオマエには他にやるべきことがあるだろう?
 ・・・ここにいたところで、オマエがその女にできrことはない」
「・・・・・・ッ、」

見渡せば、そこには戦いで傷ついた村人たちが何人もいる。
幸い死人こそいないようだが、大ケガをしているものもいるようだ。
アレスは必死に自分をいさめながら立ち上がる。

「みんな!急いでケガ人を介抱してくれ!
 回復魔法を使えるものはケガのひどいものから応急処置!
 怪我のないもの、少ないものは大ケガした連中を運ぶのを手伝ってくれ!」

アレスのかけ声で、村人たちは一斉に仲間の介抱に向かう。
しかしその時、予想だにしない事態がアレスたちを襲った。

「うぐッ!?ううッ・・・!!ああぁッ!!」
「ッ!?どうした、ウルゥ!!」

突如回復と浄化を受けているはずのウルゥが、胸をかきむしるようにしながら悶え始めたのだ!
通常ではありえない事態に、アレスだけでなく治療しているエリアですらも混乱する。
それは無理もないことだったのかもしれない。
ウルゥに刺さった吹き矢に付着していたのは毒ではなく、寄生する魔物のタマゴだったのだから。
騒然となりつつある場を鎮めたのは、ヒトでなき存在、ラムサであった。

「何をボサッとしておる!早くこの娘を医者のところに連れて行け!
 他の者は村人の応急処置を急げッ!」

混乱していたアレスたちは突然の命令にとっさに従い、動いていく。
村長のクラスコフがやってきたのはそれからまもなくしてのことだった。

その後、ウルゥは村の病院に運ばれ、治療を受けた。
回復魔法や浄化魔法の通じない異常事態に、アレスたちは思わず最悪の展開を予想してしまう。
この状況下でも冷静なラムサはいなければ、ネガティブな思考の無限ループにはまっていたことだろう。
永遠とも思える長い時間を経て、治療室から村医者は出てきた。
その顔は何とも複雑な表情を浮かべている。
アレスたちはその様子にあわてて医者に詰め寄った。

「先生!ウルゥは!?」
「まさか、死んだとか言わねえだろうな!?」
「マリーちゃん!縁起でもないこと言わないで!」
「・・・ウルゥはもう大丈夫だ。魔法が通じないのでワシもあせったが、どうやら浄化魔法だけを受け付けなくなったらしい。
 回復魔法で治療し、薬で解毒の処置をしたから死ぬことはないはずだ」

その言葉にホッと安堵のため息をつく一同。
しかしそんな空気に、ラムサが再び水を差す。

「ではなぜ、オマエはそんな顔をしている?
 あの娘は助かったのではないのか?」
「「「!!」」」

その言葉に再び空気が凍りつく。
それに対し、村医者は何とも額に手を当てて考え込む。

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