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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 45


ヒュッ!

「ッ!?」

噴出されたそれ――吹き矢は、幸い本体に命中することなく通り過ぎる。
ボアライダーが吹き矢を撃ったのは苦し紛れの攻撃ではない。
本体を見分けるための一撃であった。
本体に当たればラッキー、はずれでも分身を攻撃する確率は減る。
どっちにしても損はないというわけだ。
魔物とは思えぬ知性的な攻撃に、アレスは少なからず動揺する。
だがもはや後戻りはできない。
アレスは勢いを殺すことなく、そのままボアライダーと激突した!

ガキィンッ!!

鋭い金属音が鳴り響き、交差した両者が通り過ぎる。
ラムサたちが見守る中、戦場で孤立した空間に重苦しい沈黙が支配する。
沈黙に耐え切れなくなったエリアが声をかけようとしたその時!

ドカッ!

「キャッ!?」

いきなり頭上から何かが降ってきて、地面に突き刺さったのである。
驚いたエリアとラムサが目を向けると、それは先端が鋭く尖った何かの骨だった。
それの意味するところを察した2人は歓喜の笑顔でボアライダーに目を向ける。
ボアライダーの駆る巨大イノシシは、スローモーションのようにゆっくりと崩れ・・・。
ズズン、とありえない音を立てて地面に倒れた。
「アレスッ!!」

ラムサの掛け声と共に4人がアレスの元へ急ぐ。

「アレス、勝ったのか?」

「い、いや、まだだ…」

4人が目を向けると、そこにはまだボアライダーが立っていた。
だが、ボアライダーは先程の攻撃で瀕死の重傷を負っている。
あの巨体のイノシシを倒したほどの攻撃で立っていられるとは、ボアライダーの耐久力は凄まじいものがある。

「ぐ、ぐはっ!!」

身体は血で赤く染まり、ボアライダーの付けている仮面も所々欠けていたり、ヒビが入っている。
それでも棍棒で何とか身体を支え、今の状態を維持していた。


「くそ、まだ生きてんのか、あいつ。あたしが止めを刺してやる」

マリーはボアライダーに弓を構える。
だが、矢を放とうとしたとき、アレスに止められてしまった。

「マリー、待ってくれ」

「あ、アレス!何すんだよ!」

「大丈夫だ、そんなことをしなくても、あいつはもう……」

そのとき、グオオオォォォという叫び声が辺りに木霊する
傷が広がったのか、ボアライダーは膝をついてしまう。
先程よりも息が荒くなり、もう立っていることも限界のようだ。

「く、お、俺は……まだ、ぐっ……倒れる…ハァ、ハァ…わけには……」


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