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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 38

それはこの辺でも特に凶悪とされている魔物だった。
ボアライダー。それはイタズラ好きの妖精や小鬼がイノシシをけしかけて暴れさせる厄介な魔物だ。
それゆえに、ひとしきり暴れたら乗り手が逃げてイノシシにランクダウンしてしまう魔物なのだが・・・。
今の乗っているイノシシはかなり大きいし、普段はきゃっきゃと騒いでいる乗り手の魔物が異様なほどに静まり返っている。
おそらく乗っているイノシシはこの辺一帯を治める主。
そして乗っている魔物が他の魔物を呼び寄せた元凶だろう。
小さな体格からは予想もつかない小さな魔物の恐ろしさに、周囲の村人たちも知らず知らずのうちに生唾を飲み込む。
耐久力のあるオーソドックスな魔物から、毒持ち、魔法しか通じない魔物まで厄介な魔物が勢ぞろいといった様相だった。
ワーウルフのような知恵の回る魔物はいないようだが・・・。
いつそんな連中がやってくるかわからない。
アレスたちはいつものように柵を盾に使いながら、先制攻撃を仕かけることにした。
この村では村を守るときには、それぞれ得意とする分野ごとに分かれて行動する。
主力となるのがきこりや農民による接近戦チーム。
アレスもこのグループである。
そして相手の出鼻をくじき、戦闘の援護をしてくれるのが猟師たち遠距離攻撃チーム。
まだここにはいないが、マリーはこちらになる。
最後に治療や防御を行うのが数少ない魔法使いたちで構成された魔法チームである。
エリアはこのチームでもリーダー格の術者だ。
こんな村ではまずありえないほどの統制。
これもアレスの両親が遺してくれた剣術や魔法、兵法の教本のおかげである。

「おいおい、すげえ数だぞ・・・!?」
「オレたちで追い返せるのか・・・!?」

しかし今までにない数と種類の多さに、さすがに村人たちに動揺が走る。
そんな及び腰の村人たちに、アレスはすぐさま喝を入れる。

「何、弱気になってるんだよ?!
 ここには父さんたちの残してくれた柵があるんだ!
 いつものように矢と魔法で弱らせたから叩けば何のことはないッ!」

魔物を阻む柵を出され、村人たちはにわかに活気付く。
そうだ、自分たちにはこの強固な盾があるじゃないかと。
この柵のおかげで幾度となく魔物を撃退してきた実績が、村人たちに自信を取り戻させた。

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