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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 31

「試練に打ち勝った証というやつか、それにしても美しい剣じゃ。今までいろんな剣を見てきたが、これほどまでに美しい剣は初めてじゃ」

アレスはエクセリオンをじっと見る。
美しい、それは誰もが見て思うこと。
アレスとて例外ではない。

「あいつらが生きていれば、今のお前の姿を見たらどんなに喜ぶか」

「・・・・・」

「おっと!スマン、スマン」

「いや、いい……」

クラスコフのいうあいつらとは、アレスの両親、アークライトとイリヤだ。
彼らは元々この村の住人ではない。

長旅の末にこの村に辿り着き、以後クルカ村に永住している。
父は剣士、母は魔法使い。
二人とも正義感は強く、困っている人は放っておけない性格で、アレスはそんな二人のいいところを受け継ぎ、成長していった。

転機が訪れたのは、アレスが5歳の頃。
この頃はゾーマがこの世界に現れた年でもある。
この時クルカ村の付近で、ゾーマのモンスター軍の侵攻があったらしく、近くの村が襲われた。
その数はざっと100以上。
この情報を耳にしたある村人はクラスコフに相談し、その夜、対策会議を開いた。

しかし会議は難航し、なかなかいい対策が浮かばない。
それもそうだ、相手はゾーマの配下。
どんな攻撃や武器を持っているか分からない。
ほとんどの村人が怯え、もうこの村もおしまいだと思ったその時、ある男と女が一つの提案を出した。
それがアークライトとイリヤだ。
彼らの提案は、自分たちが敵と交戦している間に、他の村人は安全な場所に避難しろというものだった。
これにはその場にいた村人全員が反対した。
相手は少なくとも100、に対しこちらはたった2人。
あまりにも無謀な提案だった。

だが、提案したアークライトは村人たちにこう言って退けた。

「怯えている者が闘っていても邪魔なだけだ。だったら俺とイリヤで敵と戦ったほうがまだマシだ」

「私もアークライトと同じです。この戦いは村の消滅がかかっています。半端な覚悟の人が戦っては敵には勝てません」

二人が言い放った瞬間、場が一気に静寂と化した。
確かにここにいる村人、そしてクラスコフも二人の実力を熟知している。
村最強、いや世界中を探しても二人と闘える奴はそうはいないだろう。
だが今回は二人がいくら強くても、相手は100以上の大軍。

明らかにこちらが不利だ。
だがこんな絶望的な状況でもアークライトは、

「大丈夫ですよ、俺とイリヤで皆さんをお守りします。戦いが終わったら皆さんと朝まで飲み明かしましょう」

そう言って、笑った。
これを目にした村人に僅かながら希望の光が灯った。

この人なら何とかしてくれる……と


そして決戦のとき

この時、ゾーマのモンスター軍はすぐそこまで近づいていた。
クルカ村はアークライトを筆頭にイリヤと数人で形成された10数人の部隊。
実はあの後、クラスコフが村人たちに呼びかけたのだ。

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