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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 182

買い物組から少し離れて、ここは街の中心から離れた郊外の町。
自称アレスの妻・ラムサは愛しの夫アレスを探し求めて走り回っていた。

「アレス、どこだ!?どこにいる!?」

必死にアレスを探すその様は周囲の注目を大いに浴びている。
まずラムサがそん所そこらの女よりも美少女だということだ。
しかも年不相応の身体は見る人の目を釘付けにさせる。
さらに服装は体操服にブルマ。
街中ではまずお目にかからない格好だ。
それにラムサは下着を好まず、ノーブラで走っているものだから、バインバインに揺れ、これを見た男は興奮しないわけがない。

するとラムサの前へ勇気ある(?)若者がやってきた。

「ねぇ、お嬢ちゃん。どこ行くの?よかったら僕と・・・ぶべっ!!」

「ん?何かいたような・・・気のせいか」

と、一瞬のうちに彼は星になった。
ちなみに彼が最初の犠牲者ではなく、有に2桁を超えている。
そんなことには全く気付かず、意中の相手を探すラムサであった。


「ふぅ、少し休むか」

暫く走り回って疲れたのか休憩を取るラムサ。
本当は休憩など取りたくないのだが、体が限界にきてしまった。


「くそっ!休んでいる間にあいつ等が見つけるかもしれないというのに、一刻も早くアレスを探さねば・・・ん?」

ラムサの視線の先には様々な露店が軒を連ねていた。
店はどれも小さいが、飲食や小物など商売は様々。
洞窟暮らしの長かったラムサにとってはどれも新鮮だった。

「結構いろんな店があるんだな。ん?あれは?」

ラムサが見つけたのは、一軒の露店。
そこにはアクセサリーや小物などが陳列されていた。
店に置かれている物はどれも手ごろな値段で販売されている。
そのためラムサが見ている前でも何人かの女子が買っていた。

(今の若者はこういうのが流行りなのか?よく分からん)

元々ラムサはファッションにはかなり疎い。
動きやすいからと普段着にブルマを穿いている時点で頭がおかしい。
店のアクセサリーを見ても別にどうもしない。
旅の途中、エリアたちがアクセサリーを見ていても特に特に何も感じなかった。

(大体、こんなののどこがいいんだ?戦いの邪魔になるだけだろう?我には分からん)

そう思い、店から離れようとすると、

「そこのお嬢さん!!」

誰かに呼ばれ、ラムサは後ろを振り向く。
すると先程の店の店主が手招きをしていた。


「我か?」

「そうだよ、可愛いからつい声を掛けちゃった!」

可愛いと言われ、顔を赤くするラムサ。
可愛いといわれるのは嬉しいが、これがアレスならと心の中で思うラムサであった。

「そうやって煽てても何も出ないぞ?言っておくが、我は無一文だ。だから店の物は買えんぞ?」

「ああ、いいんだよ。ちょっと見てもらいたいものがあるんだ」

「?」

男がそう言って取り出したのは、ネックレス。
作りは至って普通だが、女神のような物がチェーンに付いていた。

「これは女神の首飾りと言って、これを付けていると意中の男性と結ばれるっていう言い伝えがあるんだ」

「何!?それは本当か!?」

先ほどまで全く食いついてこなかったラムサだが、意中の男性と結ばれると聞いた途端、目の色が変わった。

「ああ。まあ、あくまで言い伝えだから、本当かどうか分からないけど、よかったらお嬢ちゃんにこれあげるよ」

「いいのか?貰っても?」

「ああ。今日出会った記念にね。また機会があったら、寄っててよ」

「分かった。今度来る時は仲間も一緒に連れて来ると約束しよう」

「ありがとう。じゃあこれ」

ラムサは店の男から女神の首飾りを受け取った。
しかしラムサは女神のデザインには全く興味は無く、あるのはその効力だけだ。

(これさえあれば、アレスと・・・ふふふ、あいつ等には悪いが、これでアレスは我の物だ)

女神の首飾りを手に入れ、上機嫌で店を出るラムサ。
その足取りは軽く、もう走るのも馬鹿らしくなり、意気揚々と街を探索していた。

しかしこの話には続きがある。
ラムサを見届けた主人は店の整理を始めた。

「あれ?これもう一個あったっけ?」

男が取り出したのは、女神の首飾りだ。

「でも、さっき渡したのと羽が少し違うような、違わないような・・・まあ、いっか」

そう思ってか、男は深く気にせず、それを店頭に並べた。
ちなみに、男が取り出したのは、天使の羽を要した『本物』の女神の首飾りだ。
慈愛に満ちたその顔が女神だと物語っている。

しかしラムサに渡した物は天使の羽ではなく、コウモリのような羽を要していた。
それに女神の慈愛に満ちた顔とはほど遠い、快楽的な顔にも見える。
その姿はまるで、淫魔のような姿をしているかのように・・・


――――

その頃、ウルゥとメルディアは。

「ううっ・・・め、メルディアさん、ホントにこっちで大丈夫なんですかぁ・・・?」
「ええ。この道で間違いありません。しかし何をそんなに怯えているのですか?」
「な、何をって・・・当然じゃないですかっ。ここ、スラム街なんですよぉっ!?」

ウルゥとメルディアがいるのは、王都クイーンマリアでも特に治安が悪いとされるスラム街。
近くを流れる川は濁り、異臭を放ち。道にはゴミが転がり、通り過ぎる人たちはまるで品定めするような目でこちらを見ている。
後ろにいる男なんて、さっきからずっとこっちを尾行しているような気がして、ウルゥはもう気が気でない。
なぜ2人がこんな物騒なところを歩いているのか。
それはメルディアが、ウルゥにいい店があるから一緒にどうかと誘われたことに起因する。
知に秀でた『聖龍の書』。知識を求めてあっちこっちを渡り歩く彼女にとって、この町は自分の庭のようなもの。
そう豪語する彼女に、町の地理に疎いウルゥはその誘いに乗ったのだが・・・まさか、こんなところに連れてこられるとは思ってもみなかった。

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