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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 179

ラムサとマリーが手をポキポキと鳴らしながら、近づいてくる。
メルディアは先を越されたかと、落胆し、シズクはシズクでクスクスと笑いながら、この状況を楽しんでいる。
エリアもラムサ達に便乗してアレスに迫っている。
せっかく自分の為にこんなHな格好をしてくれたのに、パラダイスどころかこれでは地獄の一丁目だ。

3人がアレスの目の前までくると、狂気は凄まじいものがある。
そして状況を察したのか、ついにウルゥが目を覚ましたのだ。
何も知らず、ふわぁ〜と欠伸をして寝ぼけ眼で目の前にいるアレスを見つめた。

「お、おはよう・・・ウルゥ」

「おはよう、アレス君・・・あれぇ?何で、アレス君が部屋に入って・・・」

漸く調子を取り戻したのか、まずここが自分の部屋でないことに気付く。
次にやけに寒いなと感じ、自分の格好を見ると、いつの間にか全裸になっており、慌てて身体を隠す。
そして最後にアレスが弁明するよりも先にウルゥの強烈なビンタを頬に食らわせた。
この後、アレスには長い長い弁明が待っているのだが、ここでこの話は終わりにするとしよう。

――――

「う〜〜〜・・・朝からひどい目に遭った・・・」

あれから1時間後。女性陣の問い詰めという名の拷問から命からがら逃げだしたアレスは、1人朝の王都をさまよい歩いていた。
今思い返してもアレスは思う。よく無事に逃げ出すことができたもんだと。
最初彼は床に正座させられ、女性陣の説教を受けていたのだが。
アレスへの説教はしだいにアレスの所有権をめぐる言い争いへと変貌し、事態は一触即発の危険極まりない状況となった。
ラムサは右手を硬質化して手刀を構え、マリーはいつでも来いとばかりに指をポキポキとならして挑発する。
さらには穏健派のメルディア、ウルゥまでが薬の入った小瓶を取り出したり魔力を練って臨戦態勢を取る始末。
本気で命の危険を感じたアレスは、矛先が再び戻ってくる前に宿屋を飛び出した。
今、あの宿屋がどうなっているかなど考えたくもない。
まったく朝から恐ろしい目に遭ってしまったと考えていると。
アレスは魔物ウルゥの言っていたことを思い出し、ふとその足を止めた。

―――もうすぐここに、とんでもなく強力なモンスターがやってくる―――

宿主であるウルゥを人質にアレスをもてあそぶあの悪魔のような寄生魔物に『タチが悪い』と言わしめる強力な魔物。
昨日の魔物襲撃事件の原因となったらしい魔物とはいったいどんなヤツなのか?
アレスはその姿をイメージしようとして・・・やめた。
見たこともない相手を想像してもしょうがないと言うのもある。
だがそれ以上に魔物ウルゥの言葉に踊らされるのが不愉快だったのだ。

(―――そうだ。オレがここに来たのは何のためだ?
 オレのせいであんなになっちまったウルゥを助けるためじゃねえか。
 それがあのクソ忌々しい魔物の言うこと信じるなんて―――どうかしてるぜ)

自分のしたいこと、すべきこと。
それを再認識したアレスは視線を上げる。
その先にあるのはこの国を統べる者、守る者たちの住まう巨大な城。
あの時は魔物の襲撃でうやむやになってしまったが、あきらめる理由にはならない。
アレスはその足で急いで城に向かった。
ウルゥの身体に巣食う汚らわしい魔物を滅ぼす、そのために。

――――

一方。アレスを取り逃がした女性陣はとりあえず宿に戻って朝食を食べていた。
これから彼女たちは表向きは買い物と理由で、アレス捜索・・・否、捕獲作戦を決行するつもりであったから。
腹が減っては戦はできぬ。狩りには万全の状態で挑みたかった。
もちろん協力するしないは個々の自由。
もっともみんなアレスを捕まえたらそれなりの『罰』と『償い』をさせるつもりなので、単独行動になるだろうが。
ちなみに『罰』と『償い』と言ったのは拷問と快楽の2つの意味があるからである。
一見、和気あいあいと。
しかし裏では互いに牽制し合いながら朝食を済ませる一向。
アレスに恋愛感情のないシズクや、たまたま居合わせた宿泊客にはさぞやいい迷惑だったろう。

「・・・じゃ、行きましょうか〜」
「おう。誰がアレスを見つけても恨みっこなしだぜ?」
「も、もちろんですっ」
「くくく・・・人間ごときが我に勝てると思うなよ?」
「ふっ、身体能力が高ければ見つかるなんて発想自体甘いんですよ、ラムサ。
 今は力の時代ではなく、知の時代であることを教えてあげましょう」
「あのよー、どうでもいいから早く買い物済ませちまおうぜ?
 アレスのほうはそっちの好きにしていいからよー」

こうしてメンバーはそれぞれ買い物に出かけた。
最初に買い物に向かったのはエリア・ウルゥ・メルディア・シズク。
ラムサとマリーは買い物そっちのけでアレスの探索を始めた。
彼女たちは知らない。彼女たちが必死で探しているとき、当の本人は探索の及ばない城のほうに移動していたなどと。
恋に燃える乙女たちは愛する男を手中にするべく、西へ東に奔走するのであった。
だが彼女たちのこの行動も全く無駄と言うわけでもない。
パーティの面々はこの行動でそれぞれすばらしいアイテムとの出会いを果たすことになるのである。

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