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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 167


ドドド・・・!!

魔物たちの先陣を切るのは見覚えのあるモンスターたち。
犬型モンスター『マッドドッグ』や角がかわいい『一角ウサギ』。
他にも大ミミズや、かつてアレスたちの村を襲ったボアライダーも複数いる。
土煙がすごくて全部は確認できないが、他にも見たことない魔物もたくさんいるようだ。
だがそんなことアレスたちをひるませるには至らない。
彼らはここに来るまでにさまざまな冒険を繰り広げてきた。
そこで培われた経験が、たとえ未知の相手だろうとひるませないだけの力と勇気を与えているのだ。

「うぉおりゃあああぁぁぁッ!!」

人間勢の先陣を切るアレスは、あいさつ代わりとばかりに聖剣エクセリオンを突っ込んできた空飛ぶネズミ『フライングラット』に向けてたたきつける。
その刃はいともたやすくフライングラットの身体を切り裂き、一刀のもとに両断した。
アレスは斬り捨てた魔物のことなど見向きもせずに振り下ろした剣を返して次の魔物に切りかかる。
2匹目がやられたところで、前と左右から魔物たちがいっせいにアレスへと襲い掛かる。
だがアレスはそれをよけようとせず、ただがむしゃらに前へ前へと押し進む。
なぜなら彼には心強い仲間たちが控えているからだ。
アレスに襲いかかった魔物たちはシズクの斧とエリアの短剣、ラムサの手刀であっさり絶命。
3人はそのままアレスと同じように魔物の群れへと突っ込んでいった。
だが敵は前後左右から襲ってくるとは限らない。
上にはアレスたちのスキを狙ってツバメのモンスター『エッジスワロウ』が舞い降りてきた。
しかしこれもあっさりと撃退される。
マリーの放った矢がエッジスワロウの小さな身体を射抜いたのだ。
恐るべき命中精度である。
そこに今度はメルディアが声を上げた。

「みなさん!ウルゥさんの準備ができました!離れて!」

メルディアの指示に従い、魔物たちと戦っていたアレスたちが一斉にその場を離れる。
その直後、ウルゥの放った炎が魔物ごと周囲の大地を焼き払う。
そこかしこで響く断末魔の悲鳴。そこに不敵な笑みを浮かべたメルディアが現れた。

「メルディアさん、お願いしますっ!」
「了解ですっ!」

彼女はウルゥの叫びに合わせ、燃え盛る火の海にいくつかの薬品の入ったビンを投げ入れる。
すると炎は爆発とともにさらに大きくなり、魔法の範囲外にいたはずの魔物たちをさらに巻き込んで阿鼻叫喚の地獄へと変えた。
たった10人にも満たない人間たちの思わぬ連携攻撃に、魔物たちは戸惑い、思わずその足を止める。
そのスキを逃さず、アレスたちは再び魔物たちを次々と切り伏せていく。

「おいおい、何をボーッとしてやがんだ!?
 戦いは始まったばかりだぜ!?うかうかしてると全員たたっ切るぞ!!」

アレスの声は世界を混沌に導いた暗黒大帝ゾーマへの宣戦布告のように、浮足立った魔物たちの耳に響いていた。
その後、ようやく一般市民の避難と迎撃準備を済ませた兵士たちがアレスたちに合流し。
大した損害も出すことなく、魔物たちの撃退に成功した。
兵士が血相を変えて報告に来たときはどんな大群かと思ったが、しょせんは魔物。
統率はてんでなってなかったし、魔物たちも半分以上は大したことないザコモンスターばかりであった。
魔物の群れを見事撃退したアレスたちは、クイーンマリアの住人達から多大な感謝をもって迎えられ。
王都の中の高級宿屋、それももっとも値段の高い部屋を無料であてがわれた。
このあたりは住民の厚意だけでなく、ティルティオラたち城の連中の指示もあったようだ。
まぁとにかく普段なら泊まることのできない高級旅館、それもその1等室に泊まることができたのだ。
アレスたちは喜んでそれぞれあてがわれた部屋で戦いの疲れをいやすことにした。

「いやぁ〜、やっぱ人助けってするもんだな!
 まさかこんなすげえ部屋に泊まれる日が来るなんて・・・って、うおおっ!?
 な、なんだこのベッドのやわらかさ!?
 わらみたいに軽いのに、羊毛や羽毛みたいにふかふかして・・・うおお!?し、沈むっ!?
 身体がベッドに沈んでぇぇぇッ!?」

アレスは今までの固いベッドとは別次元のやわらかさに田舎者根性丸出しで驚いた。
ちなみにシズクは別室で休養中。
残りのメンバーはアレスと相部屋になろうと宿屋のロビーでいまだに壮絶な争い(ジャンケン)を繰り返している。

「アイツらもバカだよなぁ〜。こんなすごいの体験しないで部屋割りでずっともめてるんだから。
 他に気にするところは山ほどあるだろうに・・・」

それもそうだろうが・・・。
ライバルだらけの恋する乙女たちにとって、愛しい男と一晩を共にする権利はお金では買えない貴重なものなのだ。
まして高級旅館ともなれば甘いシチュエーション(イベントフラグ)など、それこそ山のように転がっている。
アレスはそーゆー女心というものをあまりよくわかってはいなかった。
女性陣たちも随分とやっかいな男に惚れてしまったものである。
争い続ける女性陣のことはそれきり忘れ、ひとしきり高級旅館のすごさをアレスが堪能していると。
不意に入り口のドアから『コンコン』と何者かがノックをしてきた。
アレスはようやく部屋割りが決まったのかと思いつつ、ベッドの上から返事をした。

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