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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 159


メルディアの言葉にアレスとシズクは驚きの声を上げる。
聞かれた本人はその反応を予想していたらしく、淡々と質問に答えた。

「我々『5大聖龍』の血族は人間とは似て非なる一族ですから。
 彼女のいろいろとためこみやすい性格も手伝って、あんな風になってしまったんでしょう」
「な!?みんな、聞いただろ!?オレは被害者であって、加害者じゃないんだって!」
「そんなことは関係ないのよ、アレスちゃん〜?」
「そう大事なのは・・・」
「アレスさんが、ラムサちゃんとHしたってことなんですよ♪」

無実を訴えるアレスの肩を、ガッシリつかむ幼馴染たち。
まぁ仕方あるまい。彼女たち3人はみなアレスにホレているのだから。
ラムサがアレスの妻を自称しているのは周知の事実であるが、それをいざ目の前で見せつけられるといろいろ納得できないものがあるのだろう。

「とりあえず場所を変えて話をするか」
「そうねぇ〜。時間、長くなりそうだしね〜?」
「じゃ、行きましょうか、アレスさん」
「い、いやだからっ・・・!ちょっ、3人ともオレの話を聞けぇっ!?」

しかしアレスの言葉が3人に届くはずもなく。
アレスはこの後3人からこっぴどく叱られ、2〜3日は立ち直れないほどの精神的ダメージを受ける羽目になる。
ちなみにラムサはすぐに正気に戻り。下腹部に感じる温かい感触に首をひねることになるのだが、それは別のお話。
一行は道中でこのような他愛ないことを繰り返しながら前へ前へと進む。
彼らが次に向かう先は王都。この国を治める重鎮たちの住まう中央都市であった。
――――

「み、見えた・・・。あそこが王都『クイーンマリア』か!!」

崖の下に見える巨大な都市。
半月の旅路の果てにようやくたどり着いたアレスは、今までの苦労を吐き出すようにそう叫んだ。
『聖龍の書』メルディアを仲間に加えてからここまで来るのに、いくつの山を越え、川を渡ったことか。
暗黒大帝ゾーマの影響か、行く先々で襲いかかる魔物たちを撃退しながらアレスたちはやってきた。

「や、やっと着いたんですかぁ〜?もう私ヘロヘロですよぉ〜・・・。
 早く町に入ってあったかいお風呂に入りたい・・・っ」
「ああ、へたり込まないでウルゥちゃん〜っ。
 今気を抜いたら私たち、ここから動けなくなっちゃう〜!?」

MP切れ寸前で今にも崩れ落ちそうなウルゥを、エリアはあわてて支える。
彼女たちがどれだけ大変な思いをしてきたかは、きれいなところ探すのが難しいくらいに汚れたボロボロの服を見れば一目瞭然だろう。
しかし彼らがボロボロなのは別に暗黒大帝ゾーマの影響で魔物が激増したからとか、そんな理由ではない。
「まったく・・・あなたが洞窟を抜けてショートカットしようなんて言い出さなければ、こんな苦労しなくて済んだんですよ、ラムサ」
「い、いいではないか。そのおかげでかなり予定より早く到着したのだから・・・」
「そりゃ確かに早く着いたけどよ?その前に生きるか死ぬかの瀬戸際に追い込まれてたらたまったもんじゃねーっつーの」
「安全かつ慎重に。ムダに危険を冒すと寿命が縮まるぜ?」

実はアレス一行、本来ならこんなに早く王都に到着するはずではなかった。
しかしラムサが立ち寄った町からショートカットの情報を入手し、そこを使って移動しようと言い出したのだ。
アレスたちはむやみに危険を冒すことはないと言ったのだが、いつまた『迷いの森』で出会ったような怪物が出てくるとも限らない、先を急ぐべきだと強引にみなを連れてショートカットを敢行したのであった。
しかしおいしい話がそうそう転がっているはずもなく。
ショートカットするたびにボスクラスのモンスターに襲われたり、同じようにショートカットしようとして動けなくなった旅人を近くの村まで運んだりと予定ルートを通るとき以上の苦労をする羽目になったのだった。

「・・・ホント、オレたちよく生きていられたよなー・・・」
「う、ううっ・・・ご、ごめんなさい・・・」

遠い目をしてその時を懐かしむ面々に、耐え切れなくなったラムサがついに謝罪する。
『聖龍の剣』としてのプライドもあったのだろうが、これからはちゃんと考えて行動してほしい。
アレスたちは二度と彼女に旅のかじ取りを任せまいと誓うのだった。

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