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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 16

3人は鬼のような血相でアレスに迫っていく。
だが今度は3人の後ろからさらに殺気や憎悪が込み上げてきた。

「アレス!てめぇよくもウルゥちゃんを泣かせたな!」

「貴様ぁ!エリアさんと関係を持っていながらこの始末、許すまじ!」

どうやら観衆にウルゥやエリアに好意を寄せる者がいたらしく、この期になって奮起を翻したようだ。

「み、みんな、聞いてくれ!今の話は全部嘘だ。俺はそんなこと言ってない、信じてくれ!」

しかしアレスの説得も虚しく、状況は変わらずじまい。
もはやアレスには後退りするしかできなかった。

一歩一歩後退りするうちに、ついに壁に当たり、逃げ場を失う。
前方には3人の鬼神とそれに付き従う者ども。

最早、絶体絶命である。

「………………」

アレスとの距離が除々に縮んでいく。
20m、15m、10mと着実に近づいている。
その目は獲物を仕留める獣の如く、研ぎ澄まされていた。
もう終わりだと思ったその時、アレスの前に一人の救世主(?)が現れた。

「お前達!もうやめろ、これ以上我が夫を傷つけることは許さん!」

そこに現れたのは事の原因を作った張本人、ラムサだった。
だがその表情は先程の悪ふざけの目ではなく、真剣そのものだ。

「どけ、クソガキ!おまえに用は無い」

マリーが怒鳴りつけるが、ラムサは一歩も引かない。

「いやどかない。夫が妻を守るように、妻も夫を守る。これが夫婦の定義じゃ」

「何が言いたい?」

「わからんのか?つまり妻である我が、夫であるアレスを守るのは当然なのだ」

ラムサは手を広げ、アレスを庇うように前に出る。
口ではあんなことを言っても、やっぱり最後は助けてくれるんだなとしみじみと思うアレス。

(夫というのは気に食わんが、やっぱりいい奴だ…)
「お前、本当に助けてくれるのか?」

「当たり前だ、夫が危機に晒されているのに黙って見ている妻がいるか?」

それはお前だと突っ込みたいが、今はやめておこう。
どうやら今度は本当に助けてくれるようだ。
さっきはあんなことがあったが、もう忘れよう。

「それにアレス言ってたじゃないか、『本当はお前みたいな小さい子が好きなんだ』って」

え?

「いや〜、嬉しかったぞアレスの言葉。我も自分の身体はちょっとは気にしてたんだが、お前がそこまで言うならこの身体でいるのも悪くはないな」

おい、ちょっと待て

「さあアレス、一緒に戦うぞ……と言いたいところだが、さっきの戦闘で魔力が残っていないのを忘れていた。じゃあ後は頑張ってくれ」

ラムサはアレスの肩をポンと叩き、その場から一目散に逃げ出した。
しかもほんの数秒で姿を暗すほどの速さで。

(さっきの戦闘って何だー!! っていうかあいつ、火に油をさらに注ぎに来ただけじゃねーか!)

結局この後ラムサは助けに戻る事はなかった。
アレスは殺気を感じつつ、ゆっくりと前方に首を曲げる。

「ア〜レ〜ス〜、今のは一体どういうことか説明してもらおうか?」

「ひっ!」

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