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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 144

森の魔物と戦ったとき以上に傷だらけで、ラムサからもらった聖剣『エクセリオン』を杖代わりにしてようやく立っているといった風情だ。
なぜアレスだけこんなにダメージを負っているのか。
幼馴染たちに隠していた、アレスとラムサの肉体関係がバレたのだ。
ラムサが一方的な婚約者発言をしていたのは周知の事実である。
しかしアレスがラムサと男女の関係にあることは、モンスター襲撃やウルゥの件で、うやむやになっていたのである。
それがメルディアを通じ、エリアにバレたのだ。
メルディアとも関係を持ったことも含めて。
婚約者発言だけでも烈火のごとく怒った幼馴染たちである。
その時の様子は推して知るべし、である。
女性陣が誰一人としてアレスを助けようとしないのは、そーゆーわけなのである。
だがウルゥの言うとおり、メルディアのほうも気になるところだ。
特にエリアは、メルディアの思いつめた様子を知っているから、心配もひとしおである。
そろそろ様子を見に行くべきか。
パーティがそんなことを考え始めたそのときだ。
隠し通路の出口に変化が表われた。
出口から何やら白い煙が出てきたのである。

「アレスさんっ!あ、あれっ!」

ウルゥの声に『迷いの森』に目を向けると、そこでも同じ白い煙が上がっている。
おそらくメルディアの仕業だ。
一体彼女は何をやらかしたのか?
迷いの森が魔物の巣窟となっていたことに苦しんでいただけに、エリアは嫌な予感がしてならない。
そうこうしている間にも煙はどんどん大きくなっていく。
危険を冒してでも戻るべきか?
アレスたちがそう考え始めたその時。
突然隠し通路の出口が開き、中からメルディアが咳き込みながら姿を現した。

「ゴホッゴホッ・・・!す・・・すみません、遅れました・・・!」
「『遅れました』じゃねえよ!?
 メルディア、おまえ向こうで一体何をやったんだ!?」
「いえ、大したことはしてません。
 ちょっと森に火をつけてきただけです」
「・・・は?」

さらっと言われた重大発言に、アレスたちは耳を疑った。

「す、すまん。今聞き間違いでなければとんでもないことを聞いたようだが・・・。
 何を、どうしたって?」
「森に、火をつけました。
 時間が経てば火は森全体を包んで跡形も残らないでしょうね」
「・・・っ!?な、何やってんだよ、おまえはーーーッ!?」

アレスは淡々と語るメルディアに1発入れようと手を振りかざすも、読まれていたのか、彼女はあっさりとそれをかわした。
それはたたかれた衝撃で、知識を失うことを恐れただけではない。
彼女にとって、これはたたかれるべき行為ではないと思ってのことだった。

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