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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 145


「私はこの森を、侵入者の知恵と勇気を試すために作りました。
 しかしそれを魔物に利用されていたとわかった以上、放置しておくわけには行きません。
 無用な犠牲者を出さないため、作ったものとしてその後始末をつけなくてはなりません」
「で、でも〜、そこまでやらなくても〜。
 メルディアちゃんの家だったんでしょう〜?」
「家なんて後からいくらでも建てられます。
 食糧や大事な書物は全部持ってきてますから、燃やしても何の問題もありません。
 むしろ魔物の巣窟をなくしたほうが、近隣の村のためになります」

自分のしたことに一切の迷いを見せないメルディアに、アレスたちはこれ以上の問答は不毛であることを悟った。
何より、今さら戻ったところでどうすることもできないだろう。

「ではまずは近隣の村へご案内します。
 食糧はともかく、装備のほうは大至急整えたほうがいいでしょうから」
「・・・あぁ、そうだな・・・」

アレスたちはため息を1つ吐くと、メルディアの案内で次の目的地に向けて出発した。
後に彼らは、そこで『迷いの森』の火事のすごさを聞くことになるのだが・・・それは余談である。

――――

「ふ〜、やっと村に着いたか」

それから数日後。アレスはケオマ村の宿屋の一室で、安堵のため息をついていた。
ここにたどり着くまでの間は緊張の連続だった。
何しろ迷いの森の1件で、エリア・マリー・シズクの3名が装備を失い、丸裸の状態での移動だったからだ。
戦闘において弱いものは格好のターゲットであり、パーティの弱点となる。
アレスは移動中はモンスターの不意打ちに、戦闘中はモンスターがエリアたちを襲わないかといつもひやひやしていた。
不幸中の幸いだったのは、装備のないエリアとマリーが後衛型だったこと。
そして新メンバーのメルディアが、薬品を武器に戦う錬金術師だったことだ。
そのおかげで、パーティは何とか無事に村へ到着することができた。
前衛型であるシズクは、1人みんなの足を引っ張っていることに引け目を感じていたようだが・・・。
とにかく無事に村へ着いたのだ。
今はそれでよしとしよう。
アレスはそう結論付けたその時。

コンコンっ。

アレスの部屋に来客がやってきた。
ノックに呼ばれて出てみると、そこには買い物を終えたウルゥたちがやってきていた。

「何だ何だ?みんな全員そろって。何かあったのか?」
「いえ・・・その・・・。
 ちょっとアレスさんに言わなきゃならないことができまして・・・」

歯切れの悪いウルゥの回答。
エリア・マリー・シズクの3人はあからさまにアレスから視線をそらしているし、ラムサとメルディアは目をつぶって嘆息している。
何やらただならぬ気配を感じたアレスは話を聞くべく、彼女たちを部屋へと招き入れた。

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