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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 137


どうにもイヤな予感を覚えたアレスは、甘い時間は終わりとばかりに立ち上がってズボンを上げる。
そして制止しようとするより早く、その場を後にしてしまうのだった。

「・・・くくっ、コイツは見事にフラれたもんだな」
「・・・覗き見ですか、ラムサ?
 他人の濡れ場をのぞくなんていい趣味してますね?」

アレスのいなくなったその場に、いつやってきたのか、ラムサがいいざまだと言わんばかりに姿を現した。

「抜け駆けするような女に言われたところで、痛くもかゆくもないな」
「どうせあなたも私と同じように、ご主人様と甘いひとときを過ごそうとでも考えていたんでしょう?
 お互い様です」

その言葉にラムサはむっ・・・と言葉に詰まる。
どうやら図星だったらしい。
図星を指され、居心地の悪いラムサは早々に話題を変えることにする。

「そ、それにしてもしばらく会わないうちにずいぶん悪趣味になったものだな、メルディア。
 つがいを選ぶためとは言え、あんな危険な魔物を森に放つとは」
「・・・魔物?何のことです?
 確かに私の主人となる方を探すためにマヨイダケを植えましたけど、魔物なんて放っていませんよ?
 そもそも私の力で魔物を従わせるわけがないでしょう?」
「・・・何だと?」

何を言っているかわからない様子で首をかしげるメルディアに、今度はラムサが顔色を変えた。

「ちょっと待て、メルディア!
 おまえ、まさか今の迷いの森がどうなっているのか知らないのか!?」
「知る必要はないでしょう?
 あの森は侵入者の知恵と勇気を試すためのもの。
 資格がないものは人であろうと魔物であろうと、森の外に出るように作ったんですから」
「・・・ッ!!」

パンッ!

何バカなことを言っているんだと肩をすくめるメルディアに、ラムサの平手打ちが炸裂した。
不意をつかれたメルディアは、あまりの威力にたまらずその場にしりもちをついた。

「な、何を―――」
「何をふざけたことを言ってるんだ、このバカ女ッ!?
 おまえの甘い計算のために、いったい何人の人間が犠牲になったと思ってるんだッ!」
「ッ!?」

聖龍の剣であるラムサの本気の怒りに、メルディアの反論は抑えられる。
そして彼女はそれから初めて聞かされることになる。
つがいを探すために作られた自慢の森が、恐ろしい地獄と化していたことを。
それは聖龍の書メルディアの生まれてはじめての失敗であり。
これからの彼女の人生に大きな影響を与えることになるのであった。

――――

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