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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 136


その瞬間、マリーはとっさに自分の耳をふさいでうずくまる。
だが声ではなく記憶であるために、聞きたくない言葉が何度も何度も反芻される。
肉体の痛みをはるかに超える心の痛みに、マリーが苦しんでいたその時。

「マリーちゃん!?やだ、一体何があったの?
 ボロボロじゃないっ!?」

ちょうどアレスを捜していたエリアが、マリーの転倒に気づき、あわてて彼女を助けに来たのだった。

「うっ・・・エリ、アぁ・・・」
「え?え?え?」

エリアを見た瞬間、マリーの涙からポロポロ涙がこぼれだす。
あの男勝りのマリーが転んだくらいで泣くとは思ってもいなかったエリアは、どうしていいのかわからず、おもしろいくらいに取り乱す。
まぁ、マリーが泣くのも仕方ないだろう。
幼い頃からずっと一緒だった親友が、知らないうちに魔物に寄生されているなんて知ってしまったんだから。
アレスはあるかどうかもわからない治す方法を探していたって言うのに、自分は何も知らないことをカサに、色ボケ街道まっしぐら。
この有様で、いったいどの口がウルゥの親友だと言えようか。
無念と後悔、怒りと悲しみが一緒くたになって。
ごちゃ混ぜになった感情が、エリアを見たことで爆発したのだった。

「うわあぁぁぁん、エリアぁっ!!」
「え?ちょ、泣かないでマリーちゃんっ!?
 一体何があったの!?」

大声で泣きじゃくるマリーに、エリアは必死にあやすのみだった。

――――

その頃。数回戦を終えたアレスは、メルディアにお口による気持ちよい後始末を受けていた。

「・・・んっ?」
「ふぐっ・・・うンっ・・・。どうか、なさいました?
 もしかして何か至らないところでも・・・!?」

突然何かを感じて周囲を見渡すアレスに、すっかり牝奴隷になってしまったメルディアが血相を変えて訊ねてきた。

「あ、いや、そうじゃない。
 何かどこかで子供が泣きじゃくってるような声が聞こえて・・・」
「・・・?空耳ではありませんか?私には何も聞こえませんでしたけど」
「ん〜・・・だといいんだけど・・・」

首をかしげるメルディアの言葉に、アレスはどうにも歯切れが悪い。
聞こえたという泣き声が気になって仕方がないみたいだ。
マリーの泣き声に気づくあたり、さすがは幼馴染とほめてやりたいところだが・・・。
だったらもっと周囲に警戒しろとか、いつまでヤッてんだとか、突っ込みどころ満載の状態ではそんな気にもなれない。

「・・・悪い、やっぱり気になる。ちょっと近くを見てくるわ」
「あ、アレス様!?」

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