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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 135

「なぁ。これだけヤっておいて何だが、本当にウルゥを助けられるのか?」
「ご安心ください。
 私には人間に寄生した魔物を取り除く知識があります。
 ただそれを実行するためにはご存知のとおり、
『聖龍の紋章』、ティルティオラの力が必要です。
 彼女の力さえあれば、すぐにでも彼女に巣食う魔物を退治してご覧に入れます」
「そ、そうか・・・!」

力強い言葉に、アレスはホッと安堵のため息をついた。
確かにアレスはウルゥを助ける手段は聞いていた。
しかし所詮人から聞いた話。そこにはどうしてもぬぐえない不安があった。
何しろ彼女はアレスの大切な幼馴染で、自分をかばってあんなことになってしまったのだ。
罪悪感からアレスが不安に思うのも無理はなかった。
そんなアレスを、メルディアは笑うでも怒るでもなく。
優しく優しく抱きしめた。

「め、メルディア?」
「ご主人様。もしまだ迷いや恐れがありましたら、全部このメルディアにぶつけてください。
 いえ、ぶつけてほしいのです。
 私にはそうすることでしか、ご主人様のお役に立てませんから・・・」

純粋にアレスの役に立ちたいと願う聖龍の書。
その優しさがアレスにはまぶしくて。頼ってしまいたくて。
アレスは弾かれたようにメルディアを押し倒し、犯した。
全ての不安を彼女にぶつけるように・・・。
だからアレスは気づかなかった。
天上の歌声のような喘ぎ声の中、聞き耳を立てていたマリーの存在に。


「・・・・・・!」

衝撃の事実を知ったマリーは、たまらずその場を走り去った。
その動きはまさに獣。
獣を狩るものだからこそなしえる、猟師の足運びだった。
何やら背後でアレスたちが声を出していたようだったが、そんなことは気にならなかった。
それどころではなかったからだ。
考えてみれば当たり前の話だ。
人間が魔物に寄生されていると知って、落ち着いていられるわけがない。
それが身近な人間であればなおさらだ。
マリーは走った。行きたいところがあったわけではない。
ただ走るのを止めたら、もっと怖いこと考えてしまいそうで、止められなかったのだ。
ただひたすら、がむしゃらに走り続けた結果、マリーは不覚にも茂みに足をとられ、派手に転んだ。
勢いがついてたぶん、ごろごろと無様に転がり・・・。
その場で大の字になって止まった。
荒い呼吸を繰り返しながら、マリーの脳裏にアレスたちの言葉が反芻される。

『本当にウルゥを助けられるのか?』
『寄生した魔物を取り除くには―――』

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