5大聖龍とその女達 134
マリーのようにあわてたところで、アレスは見つからないと考えているからだ。
エリアはきょろきょろと部屋中を調べた後、彼の行きそうなところを考える。
(・・・やっぱり1番怪しいのはメルディアちゃんね〜。
お風呂にはまだラムサちゃんたちが入っているし、契約したっていうあの時から、嫌な予感がしてたし〜・・・)
げに恐ろしきは恋する女のカン。
ここにアレスがいないというだけで、なぜここまで見事な推測が立てられるのか。
アレスもすごいお人に好かれたものである。
(じゃ、まずはメルディアちゃんのお部屋から行ってみますか〜。
ここ、他にも隠し通路とかあるみたいだから、いろいろ調べながら行きましょう。
ふふふ・・・ごめんね、マリーちゃん。
アレスちゃんは私が先にもらうわねっ♪)
エリアは目的地を決めると、すでに勝利を確信したのか、実に楽しそうな様子で部屋を後にしたのだった。
しかしこの時エリアは、恋する乙女の力を甘く見ていたと言わざるを得ない。
もともと猟師で野生的カンに優れていたマリーは、獣顔負けの鋭さでどんどんアレスとの距離を縮めていった。
――――
その頃、当の本人(アレス)はと言うと。
「ンああぁぁッ!?ご、ご主人様ぁっ!!」
何も知らず、メルディアを何回目かの絶頂に追い込んでいた。
たっぷりと聖龍の子宮に精液を注ぎ込んだアレスは、もうおなかいっぱいとばかりに剛直を引き抜き、その場に座り込んだ。
ラムサのときもそうだったが、どうにも聖龍の女というは男を夢中にさせてしまうものがある。
ラムサのときは魔王を倒す力を求めて、メルディアのときはウルゥを助けるためだったのだが、ついついそれを忘れてしまいがちになる。
いや、もちろんウルゥだって――魔物の人格だったが――魅力的だし、他のみんなにもいいところはたくさんある。
アレスはそこまで考え、自分の節操のなさにため息をついていると。
何も知らないメルディアが幸せそうに微笑みながら、精液あふれる下腹部をながめていた。
「ふふっ・・・♪私の中にこんな濃厚なのをたっぷりと出していただけるなんて・・・。
こんなに出されては、ご主人様に調教される前に妊娠してしまうかも・・・♪」
妊娠。幸せそうにそんな言葉をつぶやくメルディアは、とってもかわいらしくて。
アレスは再び彼女を抱きたい衝動を抑えるのが一苦労だった。
しかし今は子作りよりウルゥの治療、そして魔王の討伐だ。
そのためにも確認しておかなくてはいけないことがある。
アレスは断腸の思いで話を切り出した。