5大聖龍とその女達 122
「・・・いえ、確かにうまくはないのですが・・・。
その、変わった味というか、くせになりそうな味というか・・・。
とにかく不思議な味です」
何やらアレスの精液が気に入ったらしい、メルディア。
すると彼女は股を大きく広げて濡れそばった秘裂をアレスに見せる。
「今度は・・・こちらにあなたの子種を注いでいただけますか?
さっきから身体が異常に熱くて・・・発情が止まらないんです。
私に、性交というものをもっともっと、教えてください」
知恵者と名高い聖龍の書のおねだりに、アレスはぐびりとつばを飲んだ。
――――
アレスとメルディアが契約を結ぼうとしていたその頃。
部屋から追い出されたエリア・マリー・ウルゥの3人がドアの前に陣取るラムサとにらみ合っていた。
4人の間では火花が飛び散り、戦場さながらの緊張感が張り詰めている。
「ん〜、ラムサちゃん?どうしても、そこを通してもらえないのかしら〜?」
「ああ。悪いが我々聖龍の契約は神聖なモノでな。
契約が終わるまで、部外者はお待ちいただきたい」
「ほお・・・?ここまで苦楽を共にした仲間を部外者呼ばわりとは、ちょっとひどくないかい?」
「私たちはアレスさんがどうしているのか、知りたいだけなんですよ・・・!」
エリアは笑顔を浮かべているし、他の3人の口調も至って平坦としている。
しかし場に張り詰めた空気が、4人の心情が尋常な状態にないことを如実に物語っていた。
そのあまりのすごさに、シズクも仲裁に入れないほどだ。
恐るべきは恋する乙女のカンの鋭さと言ったところか。
このような状況になったのはほんの数分前。
部屋からみなを追い出したラムサは、契約できるのはアレスだけ、契約は神聖なものなので立ち入り禁止と理由をつけて部屋への入室を固く禁じた。
ちなみに契約=セッ○スで、そんなものをエリアたちに見せたらアレスの命に関わるというのが、本当の理由である。
しかし人間とは好奇心の生き物。ダメと言われればよけいに知りたくなってしまうものである。
シズクがほんの興味本位で、契約とはどんな内容なのか聞いたのがまずかった。
まさか交尾ですなんて言えるはずもないラムサが言葉を詰まらせたその時。
アレスを愛する3人娘のカンが働いた。
そして3人は現場に踏み込もうとし、ラムサがそれを防ごうとして現在に至ったわけである。
一見ラブコメのワンシーンのように見えるこの状況。
しかし実際はラムサも冷や汗ものの危険な状況であった。