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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 117


「お〜い!?メルディア〜?」

その後もいつもの調子で小屋を歩き回るラムサ。
そしてわかったことと言えば。

「・・・いない。留守だな、これは」

ここまで来るのにものすごい努力をしてきたのに。
何ともしまらない、気の抜ける話であった。

「る・・・留守・・・?」
「そ、そんな・・・ここまで苦労してきたのに・・・っ」

ラムサに突きつけられた非情な現実に、思わずその場にへたり込むエリアとウルゥ。
マリーも口にこそしないが、その落胆は隠せないようだ。
何も知らないシズクは、訳もわからないまま気落ちするパーティを励ましていた。
だが、そんな中。『いませんでした』の一言で片付けられない気持ちでいる人物がいた。
アレスだ。
一刻も早くウルゥに巣食う魔物を退治したいというのに、このオチは到底受け入れられるものではなかった。
アレスはラムサの胸倉をつかんで持ち上げると、殺意すら感じさせる視線で怒鳴りかかった。

「ふざけるなよ、ラムサ・・・!
 ここまで来てそれで済むと思ってんのか・・・ッ!?」
「別にふざけてなどいない。
 ここが1番メルディアがいる可能性がある場所だったということだ」
「どういうことだ・・・!?」
「説明してやるから、その手を放せ。
 このままでは苦しくて説明すらままならん」

ラムサの涼しげな態度に腹を立てつつも、彼女の言い分にアレスはしぶしぶとその手を放した。
アレスの頭が少し冷えたことを確認したラムサは、それから淡々とメルディアという聖龍のことを語り始めた。

「『聖龍の書』という連中は総じて知識の探究心の塊のような連中だ。
 めずらしい本や噂を耳にすれば、それを求めて止まらなくなる。
 引き止めようが、檻に閉じ込めようが、それを確かめるまで絶対にあきらめない。
 メルディアがここにいないと言うことは、アイツがそういう状態にいるということだろう」
「・・・じゃあ、その情報元に行けばその聖龍に会えるってことだな?」
「理屈の上ではな。
 だが豊富な知識を持つ連中が興味を持つ情報など、我には見当もつかん」

いろいろ腹に据えかねるものはあったが、ラムサがアレスにうそをつく理由は何もない。
むしろアレスの気持ちを考えていたからこそ、今まで言わずにいたのだろう。
アレスは湧き上がる怒りに重石をして心の奥底に沈めると、気持ちを切り替えて付近の村に戻ることを提案した。

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