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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 115


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「なぁ。話も大事なんだが、まずはこの森から抜けないか?」

そしてそれから10分後。
終わりのない話に辟易したアレスは、みなにそう切り出した。
当然、熱気冷めやらぬ連中から怒りの抗議が上がってくるが、それは簡単に予想できていただけに冷静に対処できた。

「騒ぎたい気持ちはわかるんだけどな。
 この森、ボスが死んでもモンスターがいなくなったわけじゃねえんだぞ?」
「何を言う!我らにかかればモンスターの10匹20匹・・・!」
「いや、いくらザコでもそんな数相手するつもりねーし。
 それに早くしないと日が暮れちまう。
 おまえら、そんなカッコで一昼夜過ごす気か?」
「ッ!!」

その言葉にエリアとマリーは顔を真っ赤にし、自分の身体を抱くように胸や股間を隠した。
まぁ無理もあるまい。
彼女たちは毛布1枚巻いただけの、それはそれは扇情的な姿なのだから。
ちなみに村で踊り子をしていたエリアが恥ずかしがっているのは、好きな男にアピールしてますよ、みたいな格好をしているからだ。
肌を見せることに抵抗はないが、アレスにはしたない女だと思われたくない、かわいい女心である。
一方、シズクのほうは『そんなの気にならない』と言わんばかりに平然としている。
筋肉のつき方を見ると戦士のようだから、露出の多い格好をしていたのかもしれない。

「とまあ、そんなこんなで万全の調子とは言えない状況で森にいるのはよくないだろう?
 それに忘れたのか?オレたちはここの聖龍に会うためにここに来たんだぞ?」
「ぐ・・・!わ、わかっているわっ!?」

遠回しに『ウルゥの治療のため』と言われてはラムサも引っ込まざるを得ない。
こうして自分たちの状況を把握した一行は、この先にすむという聖龍に会いに行くべく、先に進むことにした。
村に戻って恥をかく可能性を少しでも減らそうという、浅はかな抵抗の意味もこめて。
沈静化した迷いの森。
方向感覚を狂わせるマヨイダケの霧は相変わらずだったが、モンスターが出てこないおかげでそれほど苦労なく森から外に出ることができた。

「おおっ!?こ、これは・・・」
「うわあ・・・!きれいな湖ねぇ・・・!」

迷いの森を抜けた先。そこは何とも美しい湖だった。
透明感のある澄んだきれいな水。
天から注ぐ太陽の暖かな光。
湖の豊かさを示すように、湖を泳ぐ魚が水面からパシャリと跳ねる。
今まで霧の立ち込める森の中でいろんなことがあっただけに、その光景は一際強く輝いて見えた。

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