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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 101


ラムサの言葉に魔物ウルゥは言葉に詰まる。
確かに呪文などの前準備が必要となる彼女には、ラムサの援護は必要不可欠だ。
魔物ウルゥがこれだけ派手な攻撃ができるのも、ラムサのおかげだろう。
だがその裏ではラムサは巨人を殺させないよう、実に嫌なタイミングやポジショニングで邪魔してくる。
これだけの攻撃をしてしとめきれないのも、彼女のせいだと言えるだろう。
だがなぜ彼女が魔物ウルゥの邪魔をするのか?
それは2つの理由からだった。
1つ目は怒り狂う魔物ウルゥの注意を引くため。
今の彼女はあれだけ執着していたアレスのことを、邪険に扱うほど我を忘れている。
今のところ自分の首を絞めるような攻撃こそしていないが、下手をすると敵を殺してなお余りある攻撃をするかもしれない。
そのためにラムサはわざと彼女の邪魔をして、使う魔法の威力を抑えさせているのである。
そして2つ目の理由。
それは今戦っている、この緑の首なし巨人に張り付いている女性を助けることだ。
しかしそれは非常に困難を極める。
魔物ウルゥが後から入ってきた寄生魔物を追い出したことから、女性から魔物を追い出せる可能性はあるものの、あくまで可能性の話だし、今考えている方法でできるのか確証がない。
おまけにこの作戦は殺気みなぎる魔物ウルゥから彼女を守りつつ、首なし巨人に悟られないようにしなければならない。
盾にされたり巻き添えを食って死なせては元も子もない。

(まったく・・・メルディアがいればもっと的確な作戦が立てられたものを・・・。
 アイツの力を借りに来て、とんだ目にあってしまったもんだっ!)

ラムサは敵の攻撃をかわしつつ、魔物ウルゥの攻撃を調整して目的の女性を助け出すタイミングを待ち続けた。
そして。ついにそのタイミングがやってきた。
魔物ウルゥの放った火炎魔法が、再び首なし巨人を一時的ながらその場に縫いとめたのである!

(―――チャンスっ!)

好機と見たラムサは敵が動けない間にすばやくその間合いをつめる。
しかし好機であったのは、魔物ウルゥにとっても同じであった。
大ダメージで硬直した隙を狙って、魔物ウルゥもまた突っ込んできたのである。
ブツブツ何やらつぶやいているところから、至近距離で魔法をブッ放すつもりらしい。
それを見たラムサは、これが最初で最後のチャンスであることを悟った。
もしタイミング1つ間違えれば、魔物の胸に張り付いている女性は死亡。
最悪ラムサ自身も巻き添えを食らって死ぬかもしれない。

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