PiPi's World 投稿小説

元隷属の大魔導師
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 80
 82
の最後へ

元隷属の大魔導師 82

「…………」

デルマーノは鳩の骨をしゃぶり、そっぽを向いた。

「んんっ?どうした、貴公らしくないぞ?ちゃんと答えろ。ズバリ、お前の女か?」

「…………違ぇよ」

「何?」

「ちぃっ………お前ぇの予想は外れだ、外れ、大外れっ。それにアイツの名前はソフィーナだっ」

「?お前の女でないとすると………一体、何者なんだ?」

「俺の師匠の娘で……俺の恩人だ。もう、とっくに死んじまってんがな」

ぷっ、と骨を焚き火の中に吹き入れるとデルマーノは続ける。

「さて、俺の話しをしたんだ。次はお前の番、だよなぁ?」

先程の動揺から打って変わり、デルマーノはにやぁ、と嫌らしく笑った。
その笑みにフィリムは身の危険を感じ、背中に冷たい汗をかく。

「わ、私の話しだと?」

「ああ。俺の秘密を話したんだ。次はお前が話すべきだろ?」

「…………私が答えられる事なら……」

「んじゃ、質問だ。お前、誰から魔導を習った?」

「何だ、そんなことか………」

フィリムは質問が私事で安心した。
もっと重大な事を聞かれるかと思っていたのだ。

「私はお婆様に……『緑翡翠』セントピア・アルマレードに師事した。先日、亡くなったがな……」

「ヒッヒッ……コイツはすげぇ」

「?何がだ?」

「いやな……昨晩、大陸を代表する六大魔導の弟子同士が戦ったんだってな?」

「………まさか、お前の師も?」

「ああ……ノーク・ヘニングス。『紫水晶』よっ」

「何っ?あの、伝説のか?」

「おう。しかし、まぁ……弟子同士の対決は紫水晶の圧勝、と……」

「圧勝だと?お前もギリギリだったではないかっ」

「イヒッ……俺ゃ、まだまだ全力を出してねぇもの」

「くぅ……」

負けてしまったのだ、言い返せない。
フィリムは悔しさに息を飲んだ。
思い出したようにデルマーノは笑いながらも言った。

「イッヒッヒッ……まぁ、勝敗なんてどうでもいいや。んな事より、先に言っとくが………今、洞窟の外で狼煙を上げている」

「狼煙?」

「ああ。俺達がどこにいるかは分からねぇがあの川の下流周辺にいるって事は間違いねぇ。俺の飼い竜は俺の事を探しているだろうし、お前んトコもそうだろ?」

「ああ、私のテイルは賢いからな。例え、川の所為で匂いを追跡できなくても直に川を辿るだろう」

「まぁ、俺の方もそうだろうな。そこでだ、お前の方が先に来たら逃がしてやるよ」

「はぁ?」

一体、この男は何をいっているのだろう?

「デルマーノ、お前は馬鹿か?私が言うのもなんだが敵をみすみす逃がすなど……」

「けっ……お前があの暗殺者共以上にクレディアの内部情報を知ってんなら逃がしゃしねぇよ。だが、お前はその部隊………何つったかな?」

「……第三独立部隊」

「そうそう。それに入ったばっかなんだろ?なら、お前を見逃したって痛くも痒くもねぇ」

「………まぁ、皮肉れた好意として受け取っておこう」

「けっ……そん変わり俺の迎えが先に来たら素直に投降してくれよ?」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す