元隷属の大魔導師 274
シャーロットが陰茎の収まったアリアのソコを、ジルが死角になっていたが、アリアの臀部へと顔をうずめていた。
膣内だけでなく、クリ○リスや尻部へも同時に、有無も言わせずに与えられる刺激。
「んっ、ちょっ、待ってっ、ソレは、すごっ――んんんんっっ」
背筋を弓なりにし、ビクビクと全身を痙攣させたアリア。
かくり、と脱力した女騎士だったが、生憎、デルマーノはまだ果ててはいない。
「はぁ、はぁ……」と紅潮し、息も絶え絶えなアリアに、デルマーノは言いようのない嗜虐心を覚えた。
「……アリア?」
「ぇ……って、デルマーノっ?ちょっ、と……いまは……」
「ヒヒッ」
「あっんんっ!」
膣奥への挿入にアリアがひどく色っぽい悲鳴を上げた。
デルマーノが腰を突き上げるたびに、アリアのその手に余るほど大きな双曲がゆっさゆっさと揺れる。
もちろん、下半身ではふたりの吸血鬼たちの愛撫、愛嘗が続いていた。
「あっ、あっ、ちょっ、またっ――」
アリアがビクンッと硬直し、
「あぅっ、あああんっっ!」
本日、三度目となる絶頂を味わった。
――けれど、冬のウェンディの夜は長い…………。
「……ぅぅ……腰が、痛いわ……」
ウェンディ王城ケルヘルゴード――要塞然としたその城の一室でアリアはひとりごちた。
ふと外を見れば、相変わらず重たい雲から、それでも僅かに透過した真昼の陽光が大地を照らしていた。
まだ、デルマーノたちと別れてから四半日も経っていないのだから、まあ、この四肢のだるさも仕方のないことか。
そんなことを思っていると、
「へえ〜……腰が、痛いんだ?」
「っ――」
耳聡い女である。
いつの間にやらスルスルと近寄ってきたフローラが意地の悪い笑みを浮かべて言ってきた。
もう見慣れた光景だが、その隣にはヘルシオの姿もある。
「いいわね〜。そりゃあ、ウェンディの夜は冷えるもんねえ〜。独り寝は寒いわよねえ〜」
もうなにがあったか聞く必要もないということか?
アリアは赤面し、そっぽを向いた。
それでも、からかうような、冷やかすような二組の視線が途切れることはなかった。
――いま、アリアたちは主君・エリーゼが別室にて女王セライナに変わり、ウェンディ王及び大臣、そしてふたりの王太子と行っている同盟の定例会議中の護衛として、この広いとは言えない部屋に集まっていた。
「んっ……ふぅ……」
しかし、気が滅入る。
それは公務なのだから、退屈だのというつもりはない。
だが、これほどの冷遇を受けたのは初めてなのだからしょうがなかった。
菓子どころかお茶も出やしない。
さらに言えば、侍女も見かけないし、部屋の入り口には衛兵が立ち続けていた。
――まるで、囚人じゃないか。アリアはいまも扉の向こうに立っているだろう、ふたりの衛兵を幻視した。
「…………はぁ」
「もお、アリアってば。そんな、ポンポン溜め息吐いちゃって……幸せが逃げるわよ?そんなにデルマーノ君がいないのが寂しいの?」
「そんなんじゃないわよ」
むすり、とアリアはフローラを睨んだ。
それじゃあ、とんだ色ボケではないか自分は。
「そうじゃなくてさ。なんだか、おかしくない?」
「なに?デルマーノ君が?」
「……怒るわよ?」
「いや、ごめんごめん。――で、なにが?」