元隷属の大魔導師 273
しかし、アリアに場所を半ば強引に譲らされたシャーロットやジルは不満そうだ。
まるでアリアと位置でも交換したかのように、デルマーノを挟み、左右に寝転がってくる。
「んまぁ……最初はアリアにゆずったげてもいいんだけどさあー」
「……最初?」
「はい。ですが、わたくしたちはお預けなんて……ぽっ」
「いや、ジル。ほっとかれるのに魅力を感じはじめるのは末期じゃねえのか?」
「ままっ、いーからさあ。アリアが済んだら、次はわたし」
「では、その次は――」
勝手に話しを進められた。
まあ、構わないだろう。アリアもなんだかんだとしているうちに容認してしまっているようだし。
「イヒッ、ヒヒヒッ……」
デルマーノは吹きだした。
自分の腰を跨ぐように膝立ちになり、いざ――、という格好のアリアが、それでも首を傾げてくる。
「どうしたの?」
「いや、な。俺の周りも随分と賑やかになったなってよ」
「……それは、いや?」
「いんや。楽しいさね、毎日が」
「そっ」
ふふっ、とアリアが微笑んだ。
デルマーノも笑みを返す。
「……優しい、か」
「えっ?」
「ソフィーナにな、言われたんだよ。あなたは本当は優しいって」
「あ〜あっ!お兄ちゃん、いない女のこと話すなんてデリカシーがないよ?」
デルマーノは微笑む。
アリアだけではないのだ。
この真血種の少女や、その隷属種であるエルフの娘だけでもない。
ノーク、レベッカ、ヘルシオ、フローラ、エーデル、ローザ、リーサ、ラインバルト、ヴィッツ…………認めたくはないが、エリーゼ。
――取り巻く、全ての人々に自分は救われている。
望郷の想いも。
罪の悔恨の念も。
……ソフィーナを失った悲しみからも。
「デルマーノ……」
「あ?あっ、ああ。そうだな。悪い」
そんなことを考えていると、自身の肉槍の先に濡れそぼった陰部を添えたアリアが、不思議そうな顔をして見つめてきていた。
「そ、そんなことは別にいいんだけど……」
俯き、赤面するアリア。
たしかにこの恰好で相手に回想されれば羞恥を覚えざるを得ないだろう。
「ああ、そこで放置されるなんて……アリアさん、なんと羨ましい……」
だが、ジルは余計なことをいう。
当然のごとく、赤毛の女騎士は耳まで朱色に染め上げた。
その様子にデルマーノは「イヒッ」と思わず笑ってしまう。
「ぅ……」
アリアが唇を尖らせて睨んできた。
デルマーノはさらに笑う。
すると、アリアが「もう、いい」とでも言うかのように、問答無用で自身の秘所へとデルマーノの先端を差し込んだ。
すでに幾夜も肌を重ねている。
アリアのソコはまるで初めから一対だったモノのごとく、みるみるのデルマーノを飲み込んでいった。
「ぁ……あぁぁ……」
アリアの口から嬌声が漏れる。
もう昔のような苦痛の色は一抹も見られなかった。
「ぁっ、んっ――んんぅっ?」
だが、その時、アリアが悲鳴を上げた。
自身の肉槍を締め付けられたデルマーノもあわてて視線を下に移す。
すると、
「あむっ……ふぅ、むちゅ……」
「ちゅるる……ふむぅ、ん……」