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元隷属の大魔導師
官能リレー小説 - ファンタジー系

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元隷属の大魔導師 269

いや、普通の男女の強姦図だったならば、まだ逃れようがあっただろう。
しかし、隷属種の中ではトップクラスの実力を持つジルと、真血種の亜種とはいえ、そのほとんどの能力を『アルサンドロスの日記』の序盤部に記されていた魔導式により自主的に封じているデルマーノとでは、地力にオーガーとホビットほどの差があった。
しかも、普段はにこにこと従順なジルも、今日ばかりは酔っていて、自身の欲求にのみ、従順になってしまっているのだから、手の打ちようもない。

「ずずぅっ……ちゅず……」

その赤い唇をすぼめ、根元まで飲み込むと苦しそうに眉を潜めながらも、美味そうに啜るジル。

温かい口内では、やけに弾力のある舌が蛇のようにカリ部を、裏筋を、先端部を這い回っていた。

「んの……うまっ……」

「そりゃ、じゅる……密か、に、練習……あむ……しましたので……」

「練習だあ?」

「んむぅ……はい……張り型で、こう……じゅるるっ……と……」

ジルが、練習の成果を披露したいのか、丹念な舌使いでデルマーノを高ぶらせていく。
たしかに、上手かった。
彼女の初めてを頂いた時――頂かされた時とは比べものにならないほどの性技である。
何事にも、こんなコトにまで努力を尽くすジルをデルマーノは心の隅で愛おしくは思うが、けれども、憤懣やるかたない者が一人、いた。
――言わずもがな、アリアである。

「デルマーノ?」

彼女も、やはりほろ酔いだ。いつもとは勝手が違い、その羽筆の先で撫でたような細い眉を、ピクン、と跳ねさせている。
引きつるデルマーノ。
けれども、下半身から聞こえるジュルジュルちゅばちゅばという粘着な背景音が絶えることはなかった。

「……ジル?止まりなさい、離れなさい」

「んちゅ……」

「くわえながら返事をしないでっ」

男根を頬張りながら、首を左右に振ったジル。
アリアが烈火ののごとく怒ったのは道理だ。
それでも、ジルの舌は休まることをしらない。
というか、さらにエスカレートした。
エルフ吸血鬼は唇をすぼめ、根元でくわえると嚥下するようにゴクリゴクリと動かした。

「ぅ、お?」

亀頭と竿部に違う熱、刺激を与えられてしまったデルマーノは、思わず歓声と悲鳴の真ん中のような声を上げてしまう。
よほど、張り型とやらで修練したのだろう、自身は苦しいはずだろうに奉仕相手の男の良き反応に、目の端に涙を溜めつつもジルがニコリと微笑んできた。
これまた、思わず頬を紅潮させてしまうデルマーノ。
――そして、アリアの眼差しが剣呑になったのは、わざわざ語るまでもないだろう。
アリアが距離を詰めてきた。

「どきなさいっ」

「っ――」

仰向けに抑えつけられるデルマーノへ、可憐な女騎士が纏めていた肩までの赤毛を解いたかと思うと、拘束してきていたジルを押し退け、覆い被さってきた。

「あ、の、アリアさ――」

「ふむっ!」

「っ?」

ジルが突然のアリアの行為を制止と受け取ったのだろう、不満げにその名を呼んだ。
しかし、アリアはチラリと吸血エルフを一瞥、デルマーノの頭部を両手で抑えつけ、無理やり唇を奪ってきた。

「むぅっ?」

驚いたのはデルマーノだ。
対抗心か、嫉妬か、ムキになったアリアを止める術をデルマーノは知らない。

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