元隷属の大魔導師 180
纏ったナイトドレスに汗を吸われ、ピッチリと身体の輪郭を浮かされた自分の胸ほどの身長しかない幼げな少女のその姿にその気はないデルマーノですら欲情を抑えることはできなかった。
デルマーノがシャーロットを気にかけたのは不覚にも悦びを感じてしまった己への言い訳も少なからず含まれている。
「う……うん、大丈夫だよ。もう、そんなには痛くないから。動こうか?」
デルマーノは己の腰越しに感じる手の震えに彼女が平気なはずがないのは分かっていたが、気丈にも自分を感じさせようとする少女の心意気を無碍にはできなかった。
デルマーノが頷いたのを確認したシャーロットは震える腕に力を込めた。
――ずずっ……ずっ……
「ぅ、あ……ぐっ……」
動いたことで再び、肉体を襲った痛みにシャーロットは眉間にシワをよせ、歯を食いしばった。
一回の往復に十秒以上の時間をかける。
「……シャーロット。ゆっくりでいいぞ?」
「う、うん……ありがと、お兄ちゃん。でも……あはっ」
「……?……なんだ?」
痛みに歪めたシャーロットの顔に僅かであったが微笑みを浮かんだのを見てデルマーノは首をかしげた。
「やっぱ、うれしい……ね……」
そこまで言うと腰を落とし、シャーロットの口から痛みに悶える悲鳴が漏れた。
しかし、初めの頃に比べると大分、激痛の波が引いてきたのか、すぐに続きを話し始める。
「……ぅっ……名前をさ、呼ばれるのがね……あははっ、ジルも……はまるわけだ……」
「そうか……寂しかったんだな……」
「うん……私も、ジルも……お兄ちゃんも?」
「俺は……寂しさなんて感じたことはない」
「あはっ……強がっちゃって〜……可愛いなぁ、もう……」
「……ふんっ、大人をからかうんじゃねぇ」
デルマーノは憮然として言った。
「むぅ〜……私の方がすっと、年上なんだけどなァ……」
「はっ……そうだったな。んな容姿で幼ぇ喋り方をしてっから忘れちまいそうになったよ」
「……お兄ちゃん、少し怒ってる?」
「少し、な。でもよ、拘束され初めてなんつー、はなはだ厄介なモンを二つも押し付けられたにしちゃあ、寛大だと思うんだがな」
「こんな美人な女の子の初めてを二人分も奪っておいてそんなことを言うのは大陸中探してもお兄ちゃんくらいだよ」
シャーロット自身は気付いていないようだが、声色に余裕が出始めていた。
デルマーノは歯を見せて笑う。
「イヒッ!残念だったな。美人の処女を貰うのはコレで三度目なんだな」
「んっ……もう、お兄ちゃんったら……他の女の話しはしないでよォ〜……ふぅ、んぁ……マ、マナーじゃん……」
「イッヒッヒッ……そりゃ、失敬――ってな」
「ひゃ、ああっ!」
己のモノをくわえたシャーロットの腰が小さく円を描き始めたのを目撃したデルマーノは腰を一度、大きく往復させた。
すると、不意を付かれたこともあり、シャーロットは艶めかしい悲鳴をあげる。
その声色はすでに苦痛を訴えるためのものではなかった。
「ヒヒッ……」