元隷属の大魔導師 172
「っすん……ふぇ?」
デルマーノは我ながら阿呆らしい台詞だと思ったが、顔を上げて潤んだ瞳で己を見つめるジルの様子に「効果はあったようだ」と独りごちた。
ジルはデルマーノをその青みがかった双眸に収めると半信半疑という風に尋ねる。
「本当……ですか?本当に、私……あんな、売女の媚びるような……」
「ああ。みんな、出ちまうんだ、仕方がねぇよ」
「ああ、デルマーノ様……ぁんっ――」
ジルは感極まったようにデルマーノの頬を両手で挟み、接吻しようと唇を寄せようとした。
すると小さく呻き、眉を潜める。
未だ、己の中に挿入されていたデルマーノの逸物がズルリと抜けたためだ。
しかし、ジルの動作が止まったのも一瞬の事で再び、デルマーノの身体の上を這っていくと彼女はゆっくりと、その存在を確かめるように唇を重ねた。
――くちゅ……ちゅ、ぷ……
「んちゅっ…………ぷはぁ」
長く、深い接吻を終えたジルは幸せそうな笑顔を浮かべると身体を右に半周、転がした。
丁度、デルマーノの二の腕に頭が乗るように調整したジル。
ゴツゴツと筋肉が付いたソコの寝心地が良いはずはないが、それでもジルはうっとりと腕枕の感触を楽しんだ。
いや、感触というよりもシチュエーションと言った方が適切だろう。
ジルはデルマーノの左腕にスリスリと頬ずりをしながらも主人、シャーロットへと進言した。
「……シャーロット様、準備万端です」
「準備万端って――ジルも結構、楽しんでいたようだけど……」
シャーロットの口振りからすると彼女は自身の従者が当初の目的を忘れて色情に溺れているのでは、と疑問を抱いていたようだ。
しかし、主に半眼で睨まれてもまるで意に介さず、ジルは日だまりの猫よろしく目を細めてくつろいでいる。
「むぅ……お兄ちゃんに盗られた」
「誰が盗っただ、人聞きの悪ぃ……つーか、もともとはお前が命じたんだろうがっ」
恨みがましい目つきで己を見つめるシャーロットにデルマーノは呆れたように言い返した。
「そりゃ、そだけど……なんて言うの?お兄ちゃんの女の扱い方が上手すぎるっていうかさァ」
「心外だな。俺が抱いた事のある女はコイツで二人目だ」
手が拘束されて使えないため、代わりに顎を使ってジルを指し示したデルマーノ。
そんな彼にシャーロットは意地の悪い含み笑いを浮かべて復唱する。
「へぇ〜〜っ……女、は?」
「オイ、殺すぞ」
「あははっ、冗談だよぉ〜。でもさ、お兄ちゃんはまだまだできるよね?――っていうか、できないと私が困るし……」
シャーロットは声を上げて笑うとデルマーノの未だに硬直を続ける逸物を指でなぞった。
デルマーノの精液やジルの愛液でテラテラと濡れたソコは滑りがよく、ツルリとシャーロットの人差し指は走る。
すると幼女の細く、きめ細やかな指先に反応し、ビクッとデルマーノのモノは跳ね上がった。
「ぅっ――ふんっ……」
デルマーノは自身の反射が不愉快そうに鼻から息を吐き出した。
「あはっ。可愛い反応だなァ」