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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 95

「あら、どうして?せっかくお姉様がいらっしゃったのに…。もっと私の知らないあの方(バン)のお話を聞かせてくださいな」
「いえ、突如として大切な用事を思い出しましたので…申し訳ございません」
「また来てくださるかしら?」
「もちろんです。僕などで良ければいつでもお義姉様のお話相手になりますよ」
「嬉しいわ。ではまたね…」
「ええ、また次の機会に…」
そう言うとヘーデンは半ば逃げるように部屋を出て、廊下で出会ったロザリーの姉ジョアンナへの挨拶もそこそこに、慌ててバッカーズ侯爵邸を後にしたのであった…。

ロザリーはヘーデンの出て行った扉を見ながら安堵のため息をもらした。
「あのように深く私の心に斬りこんでくるとは、危なかったわ。」
自分の本心深く切り込まれ、ロザリーは冷や汗をかいていた。
「奥様、ジョアンナ様をお連れしました」
へーデンが屋敷を出た後、メイドがジョアンナを連れて入ってきた。
「姉様、お久しぶりです!」
「ロザリーも元気そうで良かったわ」
ジョアンナの顔を見るなりロザリーはホッとした表情になる。
ロザリーにとって姉ジョアンナだけは唯一心を許せる存在なのである。
腹違いの姉妹であるが、ジョアンナはロザリーを非常に可愛がっていた。
その為、他人に心を開かないロザリーも姉ジョアンナだけには心を許していたのである。
そして、度々バッカーズ侯爵邸に来てはロザリーの話し相手になっていた。

「へえ〜それで、バン・バッカーズの弟に言い負かされたのね」
「そうよ。まさか、あの弟が毒舌でドSだったなんて意外だったわ」
へーデンにコテンパンに言い負かされた出来事をロザリーは悔しながら、姉ジョアンナに話していた。
「所で姉さま、今日は何の用なの?」
ジョアンナと話して少し落ち着いたロザリーは姉の来訪の目的を訊ねる。
普段は事前に連絡があるのだが、今回は行き成りなので何かあると思ったのであった。
「少しロザリーを驚かしたかっただけよ」
「そうだったの?」
バン暗殺を目論んでたのをジョアンナにばれたかと思い一瞬身構えるロザリーであったが、それは思い過ごしであった。
「でも、あのバン・バッカーズがいないとこの屋敷も静かね」
「でしょう〜姉さまもそう思う。何で、あんな馬鹿が勇者なのよ!本当に信じられないわ!」
ふとジョアンナがバンの事を話題に出すと、バンが勇者面してるのが不快極まりないロザリーはジョアンナに愚痴をこぼす。
「あの男、勇者なのに下品極まりない物ね。以前、夜会で一曲踊った時、私の尻を触ろうとしてたのよ」
「あいつはそういう男なのよ!あんな男が勇者なんて、聖剣の聖霊様は何を考えてるのかしら!」
以前、パラム王家主催で行われた夜会でバンが自分の尻を触ろうとしてたのをジョアンは不愉快な顔で思い出し、ロザリーはバンが勇者になったのは間違いだと憤慨する。

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