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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 1

人間・妖精・魔族・淫魔等が当たり前のように生きるファンタジー世界、エスパニア。
その世界の中の小さな島国、パラム。この物語はそこから始まろうとしていた。



ある夏の日、じめじめした夏の空気の中、街道の脇にある木陰で1人の青年が休んでいた。
「暑っちーな。ったく景気よく晴れやがって、たまには人間様の身にもなれってんだよな」
太陽に向かってぶつぶつと文句をいうこの青年。名をバン・バッカーズと言った。
年は18歳。黒い髪を生やし、なかなかハンサムな顔立ちをしている。
身長は175くらいだろうか、引き締まった肉体をしており、若い女性に持てそうな雰囲気を全身から漂わせていた。
暫くして、バンは額の汗を拭うと、
「さて、そろそろ行くか」
と、言って、傍らに置いていた一振りの剣と荷物が入った皮袋を手に、ゆっくりと立ち上がった。
「………って言っても、どこに行くんだ、俺は?」
自分の行き先も分からないこの男。
その理由は今から一週間前に遡る。



島国パラム。小国で兵も少ないこの国が、今まで他国からの侵略を食い止められてこれたのは、ひとえに地の利と兵の質にあった。
この国は島国のため、他国が侵略してくる時には必ず船が必要となる。だが、この辺りは嵐が頻繁に起こりやすく、余程水軍の訓練を積んでいないと簡単に沈没する場所であり、また例え一度上陸に成功したとしても、パラムの兵達の能力は非常に高く、とかく白兵戦においては無敵に近い存在であった。
なぜパラム兵がこんなに強いのかといえば、それはパラム兵全員が、それぞれ剣術を習っているからである。
この国には、数多の数の剣術道場が存在する。
兵は皆、自らを鍛えるため、そして国を家族を守るという使命感のもとに、それぞれ鍛練をしているのである。
その剣術道場の中でも、特に優れていたのが2つの流派、バッカーズ流剣術とスワロウ流剣術であった。
この2つの流派は非常に仲が悪いことで有名で、この流派のどちらが優れているか確かめるため、ある日試合をすることとなった。
試合は五番勝負。先に三勝したほうが勝利という内容だ。
パラム最強の剣術を決める試合とあってか、当日はたくさんの観客が集まり、また国王まで見物に訪れる事態となった。
試合は白熱の展開となり、互いに二勝二敗の双方互角の戦いであった。
そして、全ては大将戦で決着がつく予定だったのだが、



バッカーズ流剣術は負けた。
なぜか?それは大将を勤めるはずのバン・バッカーズが試合会場に来なかったからである。
このバン・バッカーズという男、バッカーズ家誕生以来の天才児として国中に知られており、彼が12歳の時にパラム国で行われる剣術大会で並みいる強豪を抑え、見事優勝してしまったという話しは国中を沸かせる事となった。

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