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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 78

「……あなたは私の話を理解する気がありませんね?」
「んな事ぁねえ」

やがてゲズマ枢機卿が戻って来た。
「皆、喜びなさい。法王様は特別に全員での謁見をお許しくださる」
「おぉ!!マジでか!?やったなみんな!爺さんもありがとよ!」
バンはやはりシスカの話を理解していなかったのだろう…はしゃぎながらゲズマの肩に手を回した。
「う…う〜ん…」
そこで気絶していたメリサリムがようやく目覚めた。
「よう!メリサリム♪」
「ほっほっほ…」
「な…っ!!?ゆ…勇者様が…枢機卿様と肩組んでるうぅぅ!?…ガクッ」
せっかく覚醒したメリサリムだったが、目の前の光景に再び気を失ったのであった。

(この馬鹿勇者…全然何も気づいてないのね!!あの枢機卿半端じゃなくヤバイのよ!!)
好々爺なゲズマの厚意にすっかり信用し切ってるお気楽なバンとは異なりアイラは真っ青かつ深刻な表情であった。
アサシンである彼女にはゲズマの好々爺の表情は仮面の一つにしか見えず、本性は恐ろしい男であると感づいていた。
「どうしたいアイラ緊張してるのかい?」
深刻なアイラに気づいたアレイダは大丈夫かと気にかける。
「アレイダ、大丈夫よ…」
自分を気にかけてくれるアレイダのお陰で、ゲズマの恐ろしさに飲まれて動揺していたのに気づき自分に気づいた。

「よっと!起きなさいメリサリム」
「あっアイラさん?」
そして、失神したメリサリムを起こしたアイラであった。
「これから法王様にあうんだから、しっかりしなさい」
「そっそうでした。すいません」
「そうだぞ。私だけでは、主様の手綱を持つのは難しいからな」
「そうでしたね。シスカさま」
「俺は馬っていうのか!!シスカ!!」
自分を馬呼ばわりするシスカとメリサリムにかっとなるバン。

「あんたが、アバウトすぎるからだろう」
「同感、あんたはもう少しは仲間を大事にした方が良いわよ」
「わかったよ。しゃあねえ、着替えっぞ!!」
女たちが一致団結してるのを気づき、バンは自分に不利と悟って正装に着替えることにした。

そして、女性陣は女神官達に正装を着せてもらっていた。
一方のバンは男なのでメリサリム達女性陣とは別の所で、女性神官たちに着替えさせてもらっていた。
「あんな変態が勇者なんて可笑しいわよ。間違いなんじゃないの?」
「ですが、勇者様は聖剣ダモクレスを抜いてますから、勇者としての資質があるのですよ」
「はっはっは、面白い男だけどね」
「アイラ、結論はもう少し見定めてからにしようじゃないか」
バンの破天荒さに呆れ彼が勇者をやってることにアイラは疑問を持つ。
そんなアイラにバンを勇者と信じるシスカやメリサリムは長い目でみようと諭す。
しかし、アレイダはバンが勇者でなくてもどうでも良いようであった。
「そうするわ。でも、あんな変態男に付いて行くなんて、あんた達も物好きね?」
半ば感心、半ば呆れながら言うアイラ。それに対して三人の女達は答える。
「それは…誰が何と言おうと、あのお方は私にとって、ただ一人の勇者様ですから」
「うむ、私にとっては生涯お仕えすると決めた主殿だ」
「私は楽しいから一緒に居る…ただそれだけだ。お前はどうなんだ?何だかんだ言ってここまで付いて来たんだ。ヤツの何かに惹かれたからこそなんじゃないのかい?」
「正直な所、まだ思案中よ」
女達がそんな事を話していると、隣室に続く扉が開かれ、着替えを終えたバンが現れた。
「よ…よぉ、お前ら…お待たせ…」
彼は純白を基調として所々に黒と金の装飾が施された貴族の正装に身を包んでいた。女達は一瞬固まり、次の瞬間、腹を抱えて笑い出した。
「こ…これはまた…」
「な…何というか…」
「あっはっはっ!バン!お前まるで仮装じゃないか!ひひひ…腹痛ぇ〜!」
「完全に服に着られているというか…いっそ清々しいぐらいに似合わないわね」
「う…うるせえ!」

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