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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 65

今度は格闘家顔負けの回し蹴りだ。
蹴り飛ばされたカスターは近くの建物に頭から叩きつけられ、のびてしまった。
「何奴!!」
ようやく手下たちが我に帰り、バンに対して一斉に抜剣して斬りかかる。
バンは一度飛び下がり、追ってくる手下たちを自らも抜剣し、それを捌きながら叫んだ。
「おう小僧たち、今のうちに逃げろ!」

「あ…ありがとう、お兄ちゃん!」
「どなたか存じませんが、ありがとうございます!さぁ、みんな逃げるのよ!」
女神官と子供達は急いでその場から立ち去った。
「おのれ貴様ぁ!」
「我々の神聖なる公務を妨害した罪、その身体で払ってもらおうかぁ!?」
「たっぷり可愛がってやるからなぁ…性的な意味で…ケケケ」
そう言いながら神官の男達は法衣の下に隠していた剣を一斉に抜き放った。
「ケッ!ずいぶんと物騒なもん隠し持ってやがんじゃねぇか、このクソ坊主共が!…つかガキがダメなら男色かよ!?テメェら飢え過ぎにも程があんだろうが!」
バンも神官達に向かって剣を構える。
「うるさい!黙れぇ!」
「ケツの穴に手ぇ突っ込んで歯ぁガタガタ言わしてやらぁ!」
神官達は一斉にバンに斬りかかった…。

その僅か一分ほど後…。
「弱ぇ…テメェら弱すぎなんだよ…」
そこには打ちのめされた神官達と余裕の表情で剣を肩に担いで見下ろすバンの姿があった。
「こ、こいつ…めちゃくちゃ強い!」
「我々とて腕に多少の覚えはあるはず…貴様一体何者なんだぁ…!?」
悲鳴に似た声で怯えながら叫ぶ神官達にバンは言った。
「フンッ…だからさっきから言ってんだろうが!俺が強いのもあるがテメェらが弱すぎんだよ!テメェらの剣は女子供を虐げるための剣だ!そんな腐った剣でこの俺に勝てると思ったら大間違いなんだよ!!…ま、俺も強いけどな!」
「同じ事を二度も言うな!くらえ!」
「う…っ!?」
突如としてバンの首筋に鋭い痛みが走った。手を当ててみると一本の小さな針が刺さっている。吹き矢だ。バンが大見得を切っている隙を突いて、後ろ側にいた一人が首筋目掛けて吹き矢を放ったのだった。
「うぅ…くっそぉ…体に力が入らねぇ…」
針に毒が塗ってあったのだろう、バンは聖剣を地面に突き立て、ヨロヨロとへたり込んでしまった。
「ククク…良い様だなぁ、旅の剣士さんよぉ…」
神官達はバンが動けなくなったと知るや否や、再び身を起こしてバンを取り巻いた。
「おい、コイツどうする?」
「じゃあとりあえず輪姦(まわ)すか」
とんでもない内容の相談が始まった。バンは慌てた。
「…ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!あの、俺そっちの気とか無いから!無いからさ!マジでそれだけは勘弁して!その他の事だったら何でもする!ほんと何でもするから!だから…!」
だがその焦りっぷりは、かえって神官達の嗜虐心を煽る結果にしかならなかった。
「よぉし、じゃあまずは俺からだ…」
中でも最も体格の良い大柄な神官がバンの尻を押さえて、ベルトのバックルに手を掛け、カチャカチャと外し始める。
「いやあぁぁ〜〜〜っ!!!!」
バンの悲鳴が通りに木霊した。
(あぁ…っ!!まさかこんな所でこんな形で俺の純ケツを奪われる事になろうとは…てゆーか誰か助けてくれぇ〜!!あぁ!!神様ぁ〜!!)
バンは生まれて初めて心の底から真剣に神に祈った。

その願いが聞き届けられたのか、次の瞬間、バンの尻を掘ろうとしていた大男が突如として「うぅ…っ!?」と一声呻いてドスンと倒れた。
「へ……?」
何が起きたか判らないバンは恐る恐る後ろを振り返って見た。
大男の喉元には一本の投擲用の短剣が突き立っていた。
「…ったく、情け無い姿ねぇ〜。油断してるからそんな事になるのよ」
…と今度は反対側から女の声がした。
「ア…アイラ…!」
そこに居たのはアイラだった。彼女の手には男の喉に刺さっているのと同じ短剣が数本握られている。
「さぁ、次は誰の番かしら?私はそこの男と違って峰打ちとか甘っちょろい真似はしないわよ」
「ひ…ひいぃぃ〜〜っ!!!」
「お、おお、お助けを〜!!」
神官達は(未だ気を失ったままのカスターを担ぎ上げて)蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。

「ア…アイラ、ありがとよ。助かったぜ。でも…」
麻痺の薬が切れて来たのか、バンはフラフラと立ち上がってアイラに礼を言いつつも、アイラの投げナイフで死んだ男の死体を見て言った。
「…お前が、殺ったんだよな…」
「当たり前でしょ。てゆうか殺さなかったらアンタこの坊主にカマ掘られてたのよ?気にする事無いわ。生きていても世の中の害にしかならないような人間よ」
「…た、確かにそうかも知れねぇ…悪人かも知れねぇ…だがよ、何も殺す事は無かったんじゃねぇのかなぁ…」

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