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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 64

危険な法王庁にいけと女占い師にいわれバン非常に不快な表情をする。

「でも、行かないと言うと。あいつ等、怒るからな」
それでも、シスカやメリサリムやアレイダの顔を思い浮かべながら、仕方なく行く決心をする。
相変わらず困った男であるが、それなりに勇者としての自覚はあるようである。
「けどよ〜ここ何所だ?宿への帰り道が解んなくなった」
そこへアイラが追い付いて来た。
「ちょっと!何でいきなり逃げるのよ!?」
「別に逃げた訳じゃねえよ。つーか暗殺者から逃げるのは当たり前だろうが」
「あ、そっか…」
その時だった。

「キャアァァ〜〜ッ!!!」

突然、通りの向こうから女の悲鳴が聞こえた。
「若い娘の悲鳴…よっしゃぁ!!今行くぞおぉぉ!!」
バンの正義の味方スイッチ(多分に下心あり)がONになった。声の方へと猛ダッシュで駆けて行く。
「…あ!ま、待ってよぉ〜!」
アイラも慌てて後を追った。


袋小路に20歳くらいの一人の女神官と3〜4人の子供達が、5〜6人の男に取り囲まれていた。というか取り囲んでいる男達の方も僧服に身を包んだ神官だ。
「もう逃がさんぞ!」
「さあ、大人しく我々と共に来てもらおうか!」
詰め寄る男達に対して女神官は子供達を守るように両者の間に立ちふさがり、毅然とした態度で言った。
「こ、この私の身はどうなっても構いません!ですから約束してください!子供達にだけは手出しはしないと…!」
すると男達の中から一際立派な神官服に身を包んだ人物が歩み出て来て言った。
「ああ、良いとも。約束しようじゃないか。さあ、こっちへ来るんだ…」
この集団のリーダー格と思しき男は見た感じ30〜35歳くらい。痩せぎすで鋭い目付きの嫌な感じの男だ。
「シ…シスター!」
「行っちゃダメぇ!」
子供達は涙目で女神官の服の裾を掴んで引き止める。シスターと呼ばれた女神官は子供達にニッコリと微笑んだ。
「…大丈夫よ。すぐに戻るわ。みんなは先に家に帰って、いつものように夕食の準備をしておいてちょうだい…」
そう言うと彼女は男達の方へと向き直って歩み寄って行く。リーダー格の男は部下達に命じた。
「ようし、逮捕しろ」
「「「はっ!」」」
男達はシスターの手を乱暴に掴み、いかにも重々しそうな黒光りのする鉄製の手錠を掛けた。
リーダー格の男はニタァ…と嗜虐的なイヤらしい笑みを浮かべながら更に付け加えた。
「…あ、そうそう。そこのガキ共だがな、お前達、好きにして良いぞ」
「「「はっ!」」」
「ちょっと!!約束が違うじゃない!!」
シスターが血相を変えて叫ぶ。
「約束だぁ?ククク…約束ってのは破るためにある物だろうが…」
男達は一斉に子供達に襲いかかった。
「へへへ…」
「イヤァァ〜〜ッ!!?」
「コラ!このガキ!暴れんじゃねぇよ!」
「は、離せよぉぉ!!」
「シスター!助けてぇ!!」
「ひひひ…可愛がってやるからなぁ〜」
リーダーは半ば呆れ顔で笑いながら言う。
「おいおい、お前達ぃ…確かに好きにして良いとは言ったが、いくら何でもサカりすぎじゃないかぁ?」
「みんなぁぁ!!お願い!誰か来てぇ!誰かぁーっ!!」
シスターの悲鳴にも似た声が通りに響き渡った。
「ヒャハハハハハッ!!泣いても叫んでも無駄なんだよぉ!俺達に逆らえる奴なんてこの街に居る訳が…」
…と、次の瞬間!

「とあぁぁぁー―――っ!!!バン・バッカーズ参上!!!」
「グギャアァァ〜〜ッ!!!?」
とつぜん現れたバンがリーダーの顔面に飛び蹴りを喰らわせた。
「な…なな…何者だ貴様は!!?」
噴き出す鼻血を押さえながら叫ぶリーダー。バンは言った。
「黙れ!!んの腐れ外道共が!!なぁ〜にが“約束は破るためにある”だ!?いかにも小悪党じみた陳腐なセリフ吐きやがって!!…ともあれ事情は良く判らんが状況は把握した!!貴様ら全員、問答無用でブチのめす!!」
「ククク…我々を知らぬ所を見ると貴様、旅の者だな?知らぬならば教えてやろう!私の名はカスター!法王猊下より聖都の綱紀粛正を司る任を与えられ…」
「興味無ぇ!!」
「ゴブゥ…ッ!!?」
バンはカスターの言葉が終わらぬ内に再び彼の顔面に蹴りを入れた。

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