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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 63

「ふん、良い気味だわ。私の処女を奪って犯した報いよ」
散々自分を犯して小馬鹿にしていた憎っくき身動きが取れないバンを見上げ、アイラは勝ち誇った笑みを浮かべる。
「けっ、この偉大なる聖剣の勇者バン・バッカーズ様に抱かれて光栄じゃねえか、そんな事を言うなよ」
身動きが取れなくても茶化してくるバンをアサシンらしくスルーするアイラはいやらしく微笑む。
「何とでもを言い。こっちが主導権を握ってるのよ」
そう言うとバンの股間に右手を伸ばすアイラ。ズボンの上から艶めかしい手付きでスリスリと股間をさすり始める。布二枚隔てた下の肉棒はすぐにグググ…っと鎌首をもたげ始めた。
「おいおい…まさかこんな真っ昼間の街中でおっ始めようなんて思ってんじゃねぇだろうなぁ…?」
「うふ♪その“まさか”だったりして…」
アイラは妖しく微笑みながらバンを見上げ、左手は焦らすように胸板を撫で上げた。
「一応言っとくけど俺、野外露出の趣味とかは無ぇんだけど…」
「良いじゃない?真っ昼間だっていうのに辺りには人っ子一人見当たらないし…それに見られたとしても“旅の恥はかき捨て”ってね…」
「やれやれ…」
…とは言え、なかなかどうして悪い気もしないバンであった。このままこの美少女の為されるがままにされるのも悪くない…
…などと思っていた、その時!
「…あぁ!!あの女は…っ!」
彼は何気なく目をやった通りの彼方に一人の人影を認めた。それは何とラカンの街で聖剣について話してくれた謎の女占い師であった。
「ちょっと!どこ見てんのよ!?」
「うるせぇ!それどころじゃねぇんだよ!」
…と言うが早いかバンは腰の聖剣に手を伸ばし、これを引き抜いたかと思うと次の瞬間、いとも容易く体中に絡み付いた糸を断ち切ってしまった。…実はこの男、脱出しようと本気になればすぐに実行可能だったものを、ワザとこの状況を楽しんでいたのだった。
「う…嘘ぉ…」
唖然とするアイラを余所にバンは女占い師に向かって一直線に駆け出した。
「…んの女(アマ)ぁ!ラカンでは意味あり気な言葉だけ残して消えやがって!アイツのせいでこっちは危うくパーティ解散だったんだ!今度こそ逃がさねぇぞ!」

女占い師は横丁にスッと入って行った。
「逃がすかぁ!」
直後にバンも後を追って路地を曲がる。ところが…
「ありゃ!?どこに消えやがった?」
どうした訳か、そこに女占い師の姿は影も形も無かった。
『ウフフ…フフフ…』
どこからともなく聞こえてくる笑い声…。バンは叫んだ。
「どこだ!?どこに居やがる!?出て来い!俺の前に姿を現せぇ!!」
声は応えて言う。
『…そう吼えずとも良い。心配せずとも私はいつもお前の傍におる。私はいつもお前を見ている。お前という人間を見定めるためにな…』
「テメェもストーカーかよ!!どんだけモテモテだよ俺!?」
『黙らんか小僧が…今日は一つだけ忠告してやろうと思って出て来てやったのじゃ。法王に会いに行くと言うからな…』
「あ…ああ、そうだ!それが何だって言うんだ!?」
『法王庁は危険じゃ。良く注意せよ。法王が何を言って来ても必要以上に関わるな。長く留まってはならぬ。最低限の用事だけを済ませたら、すぐに立ち去れ。あそこにはお前の敵が大勢おる』
「俺の…敵?え?女絡みの?」
身に覚えは……ある。
『どあほう。聖剣の勇者としての敵じゃ。特に法王の側近のゲズマという枢機卿…その男には良く良く気を付けよ』
「…なんか、やっぱり行かなくても良いかなぁ…法王庁…」
『いや、それはならぬ。いかに危険な場所とて、お前は法王庁へ行かねばならぬのじゃ。バン・バッカーズよ。そこでお前は聖剣の勇者について、そして聖剣について知るであろう…』
その時、一瞬ゴォッと強い風が通りを吹き抜けて行った。
それきり声は消えた。
バンはつぶやく。
「法王庁…そこで一体何が待ってるって言うんだ……………………めんどくさ」

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