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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 45

「おいこらぁ!待たんかい賞金半分寄越さんかい!!」
少女を物に出来ないと解ったバンは捨て台詞を吐いて立ち去ろうとするが、借金取りはバンの腕を掴み賞金寄越せとを催促する。
「ケッ喰らいなクソ爺!!」
「グフッ!!おおぉ!!金貨や〜金貨や〜」
鬱陶しい借金取りを睨みながら、バンは賞金の入った袋を借金取りの顔面に叩きつける。
叩き付けられた借金取りだが、賞金が全部自分の手に入りバンへの怒りよりも喜びが勝った。
「けっ、あばよ!!」バンは捨て台詞を吐き闘技場を去った。

その様子を物陰から一人の女が見ていた。
「へぇ・・・あいつ意外と良い奴だったのね・・・仕方が無い・・・私が一肌脱いでやるか・・・」
それはバンを暗殺する為に彼の監視を続けていたアイラだった。
「それにしても如何して私が暗殺の対象者の面倒を見ないとイケないのかしらね」
アイラはそう言って苦笑するが、余り悪い気分では無かった。

闘技場を去ったバンに声をかける者がいた。
「おいヴァム・バッカルス!」
「何だ、アレイダか。どうした?」
「あたしを仲間にしてくれよ。お前さんの強さとチンポと顔が気に入ったぜ。」
「へっ、嬉しいことをいってくれるじゃねえか。ところで俺は実はバン・バッカーズってんだ。バンって呼んでくれ。」
それを聞いた彼女は一瞬きょとんとした後破顔一笑、「なるほど、そりゃ剣でもエッチでもすごいわけだぜ、ハハハハハ!!」
「いいぜ、一緒に来な。」
こうしてアレイダが仲間になった。

その頃、同じ闘技場の別の一角では…。
「ハァ…」
一人の巫女姿の少女が物憂げな表情で溜め息を吐いていた。メリサリムだ。
(ヴァム・バッカルスなんて、もしかしたらと思ったら…やっぱりそうだった…。勇者様…)
彼女は何気なく目にした大会参加者の一覧にその名を見付け、心配して観客として試合を見に来ていたのであった。
(でもまさか優勝しちゃうなんて…やっぱり勇者様は凄いです…)
再び切なそうに溜め息を吐くメリサリム。そこへ…
「あんた、戻りたいんじゃないの?バン・バッカーズの元へ…」
「え!?だ…誰ですか?」
声を掛けられ振り返ると、自分と同い年か幾らか年下かと思しき一人の少女が立って居た。
「私の正体は訳あって明かせないけど、そうねぇ…あんた達の事なら少し知ってるわ」
「はあ…(何かこの街、こういう人多いなぁ…)」
「…で、あの男とヨリを戻したいんでしょ?」
「……はい」
うなずくメリサリム。
「だったら素直に頭下げて戻りなさい」
「ちょ…ちょっと待ってくださいよ!悪いのは勇者様ですよ!?女は家畜だなんて…絶対許してあげません!」
「あいつは口が悪い上に思った事をそのまんま喋る馬鹿だからねぇ…でもちょっと考えてみなよ。あいつが普段あんたやシスカに接していた態度を思い出してみなさい。本当に家畜のように扱ってた?」
「それは…」
メリサリムは少し黙って、そして言った。
「…でも、もう私たち別れちゃったし…今更どんな顔して勇者様の前に出て行けば良いのか…」
「ハァ…子供のケンカじゃないんだから…。そんなのどうだって良いじゃない。自分の思いを素直に伝えれば良いのよ…」
「…簡単に言ってくれますね。人事だと思って…」
ジト目で少女を睨むメリサリムに少女は笑いながら言った。
「だって人事だもん。でも少しだけお節介を焼いてみたくなっただけよ」
「…分かりました。私、もう一度勇者様と一緒にやってみようと思います!」
「ふふ…やっとその気になったようね」
「あの…どなたか存じませんが、どうもありがとうございました」
「良いのよ」
丁寧に一礼して去っていくシスカの背を見送りながら少女…アイラは思った。
(一丁あがり…と。さて、次は面倒臭い方ね…)

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