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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 42

「最終試合!一般参加者ヴァム・バッカルス 対 同じく一般参加者アレイダ・リュード!…始めぇ!!」
審判が試合の開始を告げる。
「ヘへ…まさか決勝の相手も一般参加者とはなぁ…しかも俺好みのナイスバディの美女と来たもんだ!」
バンは対戦相手の女戦士アレイダ・リュードを見てニヤリと笑って言った。
女にしてはかなりの大柄で、割と長身のバンより頭一つ分は大きい。
彼女の肌の色は褐色で耳は尖っている。どうやら亜人の血が流れているらしい。
この世界では決して珍しい存在ではない。
「フフン…なにブツブツ言ってやがんだい!?よそ見してると叩き斬るよ!!」
そう言うが早いか、アレイダは錆びて刃こぼれした幅広の蛮刀を振りかざしてバンに斬りかかって来た。

フュン!

キン!

2人の剣は一瞬だけ交差し、鋭い音で火花を散らす。
(へえ・・・中々やるなこの女・・・)
その斬撃はまるで閃光のように早く、尚且つ彼女の剣には、今日戦ってきた剣闘士たちの我流の剣には無い。理に適った剣理とも言える物が有った。
(見ない太刀筋だな・・・暗黒大陸(魔族や魔物たちが暮らす南の大陸で、その大半が人間にとって危険に満ち、謎に包まれている為こう呼ばれている)の剣術か?)
真の戦士は一度打ち合えばお互いの腕のみならず。様々な事を理解し合う事が出来る。
バンは決勝の相手である女戦士が振るう見慣れぬ太刀筋と服装からそう推測する。
(フフフ・・・どうやらどの土地にも、この手の技術を磨き伝承しようとする。馬鹿な連中は居るらしい・・・)
やはりバンの本質は戦士なのだろう。
普段は馬鹿でスケべなだけのどうしようの無い男だが、ひとたび強敵を前にした時。バンは心の底からの喜びを感じるようだ。
「どうやら、俺も本気でやらねばならんようだな」
(見た事の無い剣術と達人級の腕前・・・官能的な褐色の肌に俺好みのナイスバディ!!ああ、この女を剣で打ち負かして、この女の鎧に押さえつけられた巨乳を両手で揉みし抱きチューチューしたい!!・・・このアレイダ・リュードとかいう女。色んな意味で強敵だ!!)



・・・すいません単に馬鹿でスケべなだけのどうしようの無い男でした。
バンが内心そんな馬鹿な事を考えている間にも、二人は一進一退の攻防を繰り広げていた。
「フン!どうやら人間の中にも少しは使える剣士が居る様だね!あたしゃ嬉しく成っちまうよ!!」
「貴女のように強くて美しい女性にお褒めの言葉を戴き感激の極みですよ!・・・どうです?この試合が終わったら、私とデートしませんか?」
真剣勝負の最中に試合の相手をナンパしようとするバンの言葉に。アレイダは楽しそうな笑い声を上げる。
「アハハハハ!!いいぜ!お前さんが勝ったらデートだろうがセックスだろうが好きなだけ相手してやるよ!!」
アレイダはそう言って笑うと、より鋭い斬撃をバンに見舞う。
「ヨッシャアア!!約束ですよお姉さん!!」
(くくく・・・メリサリムとシスカを失った時は、少し後悔したが、どうやら俺の女運も落ちてはいないようだな・・・あの赤毛の少女に加えて、この女もゲットだぜ!!)
バンは迂闊にももう勝った心算でいる。
当然アレイダはバンのその慢心を見逃さない。
「隙あり!!」
「う…っ!?」

キイィィンッ

一瞬だった。
アレイダの剣がバンの聖剣を勢い良く弾き飛ばしたのだ。
聖剣は回転しながら空中高く舞い上がる。
「勝負あったな…」
アレイダはバンの喉元に剣先を突き付けて微笑んだ。
「そこまで!勝負あり!勝者、アレイ…」
審判がアレイダの勝利を告げようとした、その瞬間…
「…いや、まだ終わっちゃいねえぇぇ!!」
バンは声高に叫ぶと右手を高く掲げた。
なんと、弾き飛ばされたはずの聖剣がクルクルと回転しながらブーメランのように、まるでバンの手に引き寄せられるかのように、あたかも剣が意思を持って主の元へと帰っていくように、バンの手に戻って来たのである。
バンはパシッと剣の柄を受け止めた。
「な…なんだと…!?」
アレイダは驚愕して思わず目を見開いた。
偶然か…はたまた…。

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