PiPi's World 投稿小説

聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 39
 41
の最後へ

聖剣物語 41

「それでは剣奴グラトニクス 対 一般参加者ヴァム・バッカルスの試合を行う!!・・・始め!!」

「「「「「「「「「うおぉおおっおおおおおおおお!!!!!!!!」」」」」」」

魔法によって拡張された審判のその声と同時に、客席の客たちの盛り上がる大歓声が闘技場を包み込み、まるで地面が揺れるかのように空気を揺らす。
(やれやれまったくすごい声援だな)
バンが内心そう考えていると、それを隙と見たのか、剣奴グラトニクスと呼ばれた巨漢が一気に間合いを詰めて来る。
「グハハハハ!!オイ小僧!抵抗しなければ、腕の一本で勘弁してやるぜ!!」
男のオリジナリティーに欠ける脅しの言葉にバンの唇に冷笑が浮かぶ。
「黙れハゲ!如何にも噛ませ犬の悪役面の癖に、この俺に生意気な口を利いてるんじゃねえ!・・・て言うか眩しいから、太陽の下に居るな!」
バンのこの挑発に(単に口が悪いだけかも知れない)剣奴グラトニクスは、全身をスキンヘットの頭まで真っ赤に染めて襲い掛かる。
「てめえ!俺の頭は禿てんじゃねえ!剃ってんだよ!!」
「フン!どうせ額が後退したのを隠す為だろう?悔しかったら、ロン毛にしてみな」
どうやら図星だったようで、剣奴グラトニクスは怒りをそのままに剣を振り上げる。
「をおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

ドス〜〜〜〜ン!!

狙いを外したグラトニクスの大剣は、大地に突き刺さり砂埃を上げる。
さすがに剣で飯を食っているだけに、その一撃は凄まじい。
「「「「「「「わあああああああああああ!!!コ・ロ・セ!コ・ロ・セ!コ・ロ・セ!コ・ロ・セ!」」」」」」」
それを見た観客席から下品な歓声が上がる。
(確かに凄まじい一撃だ。どうやらあの筋肉は伊達じゃないようだな・・・)
だが、バンにとって力押しだけの我流の剣ほど美味しい相手はいない。
「死ねこらあああああああああああああ!!!!!!!」
グラトニクスは今度こそバンの脳天をぶち割ろうと剣を振り下ろす。
(力任せの剣は、横から少し押してやればいい・・・それだけで、剣は制御を離れて隙が出来る)
バンは最初の一撃でグラトニクスの太刀筋を読んでいたので、振り下ろされる剣の腹に的確な一撃を加える。
するとグラトニクスはバンの思惑通りに一瞬体勢を崩した。当然バンはその隙を見逃さない。
「どうする?まだやるかい?」
「ま!参った!!」
グラトニクスが気が付いた時には、既にバンの剣が彼の喉元に突き付けられていた。
「「「「「「わ・・・わあああああああああああああ!!!!!!」」」」」」
その一瞬の攻防に客席から悲鳴交じりの歓声が響く。
グラトニクスに金を賭けていたのか、かなりの数の観客が、頭を抱え込んでいる。
「お!大番狂わせが起きました!!前大会三位入賞者の強豪グラトニクスが、一般参加の無名の選手に敗れました!!今大会は一回戦から波乱の予感であります!!」
(フン!何言ってんだ?俺が負ける訳ないだろうが!!これは言わば当然の結果だよ・・・)
バンは内心そう呟きながら、ニヒルな笑みを浮かべて選手控室へと戻って行った。


その後もバンは順調に勝利を続け、気が付けば後は決勝戦が残すのみと成っていた。

「いやぁ、バン様!凄いです!お強いんですねぇ!」
「やっぱりワイの見込んだ通りやねん!あと一試合!このまま一気に優勝して賞金の金貨500枚はワイらのもんやねん!」
予想外のバンの強さに興奮する赤毛の娘の父親と商人。
「へへん…あったり前だろうが!この聖剣の勇者バン・バッカーズ様を倒したけりゃあ旋風のエルティアでも連れて来やがれ!ま、今の俺ならエルティアも敵じゃないかな…ハハハ!」
大いに調子づき絶好調のバンは娘の手を取って言った。
「お嬢さん、次はいよいよ決勝戦…私はこの勝利を貴女に捧げます!」
「あ…あのぉ、バン様…もしかして何か勘違いをしておいでかも知れないので言っておきたいのですが、私…」
娘は何か言おうとしたが、進行役の声によって遮られてしまう。

「それでは最終試合を行う!両者、前へ!」
「「「ワアアァァァァァ〜〜〜〜ッ!!!!」」」

「おっ!いよいよ決勝だなぁ…それじゃあ、チャチャっと終わらして来ますからねぇ〜♪待っててください、お嬢さん!」
バンは娘に投げキッスしながら試合場へ出て行った。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す