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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 40

金の管理は一切合財メリサリムがやってたのを思い出してバンは真っ青な顔になる。
「やっぱ、聖剣の勇者なんて嘘やないか!!この落とし前どうしてくれるんや!!」
バンに金がないと解ると借金取りの男はやっぱりと言った顔になり怒鳴りだした。
「まて、パラム王国に連絡すれば金は出す一ヶ月待ちたまえ!!」
「一ヶ月やって、そないに待てるかボケェ!!そもそも、貴族を名乗るなら棒を振るうしか能の無い貧乏なパラム国じゃなく、西方最大の国家ゼノン帝国貴族でも名乗らんかい!!ボケェ!!」
「パラム人が雑魚だって、てめー今なんて言いやがった!!」
怒鳴り狂う借金取りにバンは一ヶ月待てというが、借金取りは取り合わなかった。
その上、バンがパラム人とわかると借金取りは見下し始めた。
パラムは西方大陸では辺境の小国なため法王領等の先進地域では低く見下される傾向があるが、祖国パラムを侮蔑されたバンの中で何かがブチっと切れた。
バンは聖剣を引き抜くと一瞬で借金取りの取り巻きの大男たちを倒し(こんな街中で殺人は不味いという理性が一応働いたのか峯打ち)最後に借金取りに刃を向ける。
「ま!待ってくれ!!」
「何だ!?俺は気が短いんだ!!その脂肪で突き出た腹をぶった切られて、強制的にダイエットされたく無かったら、とっとと失せろ!!」
「だから待てって言うとるやろ!先程の暴言に付いては謝罪する!!」
借金取りはそう言うと手を合わせる。
「それにしても凄まじい腕やな・・・聖剣の勇者というのは眉唾にしても、あの一瞬で五人も倒すとは・・・」
借金取は地面に倒れ呻いている手下を見て、バンに驚愕の視線を向ける。
「どや兄ちゃん!この小娘を助けたいのやったらワイと組まへんか?」
「?・・・」
バンが首を傾げると、金の匂いを嗅ぎつけた借金取りは、楽しそうに話を始めた。
「この街は剣闘が盛んな街なのは知っておるやろ〜」
「ああ、確かにここは旋風のエルティアが所属してた街だからな」
「せや、明後日大きい大会があるんや。優勝したら賞金の金貨五百枚は折半で、あの親子の借金はチャラどうや!!」
明後日行われる大きな剣闘大会の事を話す借金取りは賞金は自分とバンの折半で親子の借金はチャラと取引を持ちかける。
「ふん、面白い。この街には旋風のエルティアはいないから、楽勝だな受けよう」
こおしてメリサリムやシスカと別れたバンは、借金取りから少女を守る為、成り行きでカラン闘技場の剣闘大会に出場する事に成った。
「安心しな御嬢さん!俺がきっと貴女を助けてあげるよ!!」
(くくく・・・代わりにアンタの処女を貰うけどな)
内心呟いたその一言が無ければ、彼の行動は真に高潔な騎士の物だったろう。
そして人が(もちろん精霊も)心を読めない以上。人はその人間の行動をもって心の気高さを量るしかないのだ。
恐らく多くの人間にとって(特にバンにとって)幸いな事に・・・。
「ああ!ありがとうございます騎士様!!」
そう言って感謝の言葉を呟きながら頬を赤く染める少女に。最後にバンはナンパ用の極上の笑顔を向けるのだった。

そして翌々日、ついに剣闘大会当日。カランの街の闘技場の客席は満員の観衆に埋め尽くされていた。
「凄え数の観客だなぁ…パラムの剣術大会を思い出すぜ」
出場者控え席から試合場を見渡して呟くバン。
「あのぉ、バン様。本当によろしいのですか?私達のために…」
「そうですよ。今ならまだ出場を取り止める事も…」
赤髪の娘とその父親が心配そうにバンに話しかける。バンは父親は無視して娘の手を取って言った。
「なぁ〜に!ご心配は無用ですよ、お嬢さん。貴女をお救いするためならば、不肖このバン・バッカーズ、例え火の中水の中ですよ!」
「はあ…」

パッパラパッパッパ〜〜〜〜ッ!!!!

そこへ、ファンファーレが高らかに鳴り響き、大会の開催を告げる。
続いて進行役が大声で言った。
「第一試合!!剣奴グラトニクス 対 一般参加者ヴァム・バッカルス!!」
「…あ!俺だ。身元がバレると面倒なんで偽名で登録してあるんですよ。いや、有名人は辛いねぇ〜。それではお嬢さん、行って参りまぁ〜す!」
バンはのん気に手を振りながら試合場の方へと歩いて行った。

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