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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 5

しばらく神殿を見ていると、中から神殿の巫女が出て来た。
「御嬢さんちょっといいですか?」
「はい・・・何でしょうか?」
(へえ・・・)
バンの声に振り向いた少女は、美しい顔立ちをしており、流れるように美しいその髪は、太陽の光を浴びて、神々しい程明るい金色をしていた。
「ダモクレスの聖剣って奴に用があるんだけど・・・」
「ああ・・・試練を受ける事をご希望ですか・・・どうぞ此方です・・・」
バンは少女に先導され神殿の中へと入って行く。
「ねえ!さっき試練って言ってたけど、何かやるの?」
せっかく美少女と歩いているのだから、此方から積極的に話しかけてみる事にした。
「いいえただ剣を鞘から抜くだけです・・・もっともこの試練を成し遂げた方は、今までおられませんが」
「へ〜月にどの位の人間が試練を受けに来るの?」
「まあ月によってバラバラですが、平均して100人前後でしょうか?もちろんお祭りの時などは、もっと多くの方が試練に挑みます」
「しかし、誰一人剣を鞘から抜く事は出来なかった訳だ」
「ええまあ」
バンの言葉に神殿に務める巫女である少女は苦笑する。
「まあ安心したまえ!俺様の手に掛れば、そんな剣一瞬で抜けるさ!!」
「フフフ・・・よろしくお願いいたします勇者様」
バンの強気の発言に彼女は、口元の笑みを強くし、冗談交じりに応じる。
「さあ此処が聖剣の間です」

聖剣の間と呼ばれた一室は、静謐で神々しい雰囲気を湛えており、どこからか讃美歌さえ聞こえてきそうな雰囲気だ。
「御覧下さい・・・あそこに在るのが聖剣ダモクレスです」
少女が指差した先には、戦女神ミネルヴァの神像が有り、その手に一振りの剣が握られていた。
「さあどうぞ」
少女は神像に向かって一回略式の礼を行うと、神像の手から剣を取り、バンの手の平に手渡す。
「よし!!」
バンは剣を握ると気合を込めて刀身を鞘から抜き放たんとする。すると・・・

シャキン!!

鋭い音と共にアッサリと剣は鞘から抜き放たれる。
「え?ええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」
それを見た少女は、目の前の事態が信じられないとでも言う様に、驚愕し目を見開いていた。


有史以来誰一人抜く事が出来なかった聖剣が、抜き放たれたという事で、神殿中は上へ下への大騒ぎに成り、それが収まると今度は町を上げてのお祭り騒ぎに成った。
「いや〜めでたい!!まさかあの聖剣が鞘から抜かれる日がこようとは・・・」
「わしゃあ祭りの度に50年以上挑戦しとたったが、ビクともせんかったににのう・・・」
「何でも聖剣を抜き放った勇者はあのバッカーズ流剣術の神童だったそうだ」
「バッカーズ流剣術の神童と言うと、六年前の大会で12歳で優勝したあのバン・バッカーズか?」
「ああ何でも武者修行の旅の途中でこの町に寄ったそうだ」
「バン・バッカーズ様ってどんな殿方なのかしら?」
「分からないわ・・・でも聖剣に選ばれたのだからきっと吟遊詩人のサーガに歌われるような勇者様よ!!」
このように聖剣が抜き放たれた事で、聖剣の主となったバンの噂は、虚実を交えながら、瞬く間に町中に・・・いやこのパラム王国中に広がって行った。

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