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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 38

女占い師は一息ついて、そして言った。
「三本の聖剣…それは、そう遠くない未来、この世界を襲う破滅の危機に対抗するために無くてはならぬ物なのじゃ…」
「破滅の危機…何なんだそれ?」
「それは今はまだ知る必要は無い。いずれ時が来れば解る事じゃ…」
「あ!何だよ、もったい付けやがってぇ〜。そういう演出いらねぇから早く教えてくれよぉ〜」
「演出ではない…。ただ、これだけは覚えておくが良い。古(いにしえ)の神々は、やがて訪れるであろう、その危機を見越し、人の手に聖剣を託したのじゃ。この世界の辿る道は予め定められておる…国も…人も…獣もな…」
「なぁ、メリサリム。お前、古代の伝承とか詳しいだろ。何か知らないか?」
バンは世界の根幹に関わる重要な事実を語る女占い師を早くも無視してメリサリムに話しかけている。
「ゆ…勇者様、こちらのお方の話、まだ終わってないみたいですけどぉ…」
「そうです我が主よ!今は亡き我が祖父は“人の話は例えつまらなくとも、あまり得る物が無さそうであろうとも、とりあえず最後まで聞くのが最低限の礼儀である”と生前よく言っておられました」
「シスカ様もけっこう失礼ですよ!」
「すまん、失言だった」
女占い師に対す売るバンの失礼な態度をシスカは窘めるが、彼女もさり気無く失礼なのをメリサリムは窘める。
シスカも自分の発言が失言だったのに気づき恥じて反省する。
「しゃあねえ〜お嬢さん、話を聞くから。聖剣の在処を教えてくれ」
シスカとメリサリムに窘められバンは渋々と女占い師の話を聞くことにした。
最も女占い師は相当な美女だから、話を聞く位は苦ではなかった。
ところが…
「あれ?どこ行った…?」
なんと女占い師の姿が無い。まるで掻き消したかのように、最初からそこに居なかったかのように消え失せてしまったのだ…。
「何だよ!?まだ聖剣の在処(ありか)聞いてねぇのによぉ!」
「きっと勇者様とシスカ様の態度に怒って帰っちゃったんですよぉ〜!」
「えぇ!?わ…私もか!?」
「そうだシスカ!お前が悪い!」
「あ…主様(あるじさま)こそ!思いっきりシカトしていたではございませんか!」
「俺が悪いっていうのかよ!?」
「あぁ〜ん!せっかく聖剣の手がかりを得られるチャンスだったのにぃ〜!」
聖剣の主の手がかりになる女占い師の存在が消えてしまい。
バンたちは互いに責任の擦り付け合いをしてしまう。
「勇者様、シスカさん、ここで喧嘩しても不毛です!!対策を練りましょう!!」
そこへ、不毛な言い争いはダメだと気づいたメリサリムは対策を練ろうと進言するが……
「黙れ牛乳!・・・いいか!お前らは俺様の女なんだから、黙って俺の決定に従ってればいいんだよ!!所詮女なんて男の性欲を処理する為の家畜みたいな物なんだから!!首から上を働かせる必要は無いんだ!!」
「な!」
「き!貴様!!」
感情的に成っていたとはいえ、バンの余りにも女性を蔑視した発言に、メリサリムとシスカは、怒りを爆発させる。
「言って良い言葉と悪い言葉が有ります!勇者様!残念ですが、私はもうアナタ様とは一緒に旅を続けられません!」
「私も、ここで失礼させていただきます!」
「おう!俺だってなぁ、お前らなんか居なくなった方がせいせいするぜ!とっとと行っちまいやがれ!」
売り言葉に買い言葉とは、この事だろう。
バンたち聖剣探索隊のパーティーは、こうして一瞬で崩れ去ったので有った。

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