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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 36


さて、そんな三人の様子を窓の外…バン達の泊まっている宿屋の通りを隔てた反対側の建物の中から遠眼鏡(望遠鏡)で観察している人物がいた。アイラである。
「ククク…バン・バッカーズめ、この私がそんなに簡単に諦めると思ったら大間違いよ!こうして常に着かず離れず機会を伺い、必ず貴様の命を…!」
その時、彼女の子宮がキュンッと疼きを見せた。
「くぅ…っ!何だっていうの!?あの男の事を考える度に胸が締め付けられアソコが熱く疼く…」
だがアイラはその肉体的反応が一体どのような感情を意味しているのかまでは理解出来なかった…。


バン、メリサリム、シスカ…そしてその後を密かに付けるアイラの4人はウルスの街を発ち、更に内陸へ…闘技場の街カランを目指した。そこにバンが聖剣の勇者の一人と目を付けた剣闘士エルティアがいるはずだ。

そして徒歩と馬車を乗り継ぐこと約三ヶ月、彼らはついにカランの街に到着したのであった。
「着いたぁー!ここもデカい街だなぁ〜(ククク…ここんとこずっとメリサリムとシスカと途中で立ち寄った村の娘ばっかりだったからなぁ…純朴な田舎娘も悪くねえが久しぶりに洗練された都会的美女と…グフフ)」
自然と頬が緩むバン。メリサリムは言った。
「勇者様、さっそくエルティア様を訪ねてみましょうよ」
「はあ?エルティア?…ああ、そういやそのために来たんだっけか…」
「ゆ…勇者様…」
「しかし我が主よ、そのエルティア殿が聖剣の勇者だとして、彼は奴隷なのでしょう?そのように強い剣闘士…主人が手放す事を許すでしょうか?」
「そんな事今から心配したってしょうがねえだろ。そうなった時に考えれば良い話だ」
「はあ…」
「さすが勇者様!相変わらずの楽天的思考ですね」
「ハッハッハ…それじゃまるで俺が馬鹿みたいだろ。ポジティブ・シンキングと言え。じゃあ行くぞ…」
歩き出すバン。だが彼はすぐに足を止めて振り返って二人に言った。
「…エルティアってどこの誰の奴隷なんだ?」
「えぇ!?勇者様知らないんですか!?」
「うん、知らん…」
「……」
まさかここまで来て…バンの無計画さに絶句するメリサリム。そこにシスカが言った。
「それは闘技場の運営を行っている市に問い合わせてみれば分かるのでは…?」
「それだぁ!」
「さすがですシスカ様ぁ!」
さっそく三人はカランの市政庁に向かった。


「エルティア?・・・ああ!!疾風のエルティアか!!懐かしいな!いや〜奴は実に良い剣闘士だったね!!」
ここはカランの市政庁。
バンたちは剣闘士であるエルティアの情報を見る為、カランの市政庁を訪ねた。
「うむ!で?奴は何所に行けば会えるんだ?」
「あ〜残念だがワシにも分からんよ」
白髪を生やした、如何にも定年間近という雰囲気の老役人はバンの質問にそう答えた。
「?どうしてだ?・・・確かこの国では、主人に奴隷の登録を義務付けていた筈だろう?」
「ああその通りだ」
「だったら・・・」
「悪いが剣奴エルティアは、六ヶ月前に奴隷身分を解放され、この町を出て行った。だからワシにはその後何所に行ったかなんてサッパリ分からんのよ」
「・・・は?」
老役人の言葉にバンは暫しの間呆然と成った。



「たっく!エルティアの野郎!俺様が試合の決着を付けようと、わざわざ足を運んでやったのに。居ねえとは、どういう事だ!!」
「まあまあ落ち着いて下さい勇者様」
「別に良いではないですか・・・そもそも彼が聖剣を持っているのではと言うのは、飽く迄我が主の思いつきだったのですから」
「そんな事は如何でも良いんだ!!俺はただ単に!この俺様が剣で引き分けたってのが、気に入らないだけなんだからな!!」
主君のこの言葉にメリサリムとシスカは、揃って溜息を吐く。
「はあ〜・・・まあそうだろうなとは、思っていましたが・・・」
「私も戦士として気持ちは解りますが、重要な使命の最中に私情で動くのは、如何かと思いますが・・・」

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