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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 28

「怒るなよ〜シスカ。もし、お前が俺に勝ったら望みを何でもかなえてやるぜ」
「何だと神聖な決闘を何だと思って・・・うん、まてよ」
決闘を冒涜するバンの態度に激昂するシスカだったが、バンの『お前が俺に勝ったら』という言葉を聞き何かを思いついたようである。
「良いだろう、私を倒したらこの命くれてやる。しかし、私が勝ったら、貴様には去勢してもらうぞ!!」
シスカのその言葉にバンは愕然とする。
「な!何だと!?」
「アハハハハ!!!!・・・どうだ?貴様にとっては、正に死ぬよりも辛い事であろう!!ザマア見ろ!!この私が受けた屈辱の代価には、死すらも生ぬるい!!・・・まあこの私が貴様が抱いた最後の女に成るのだ!むしろ光栄に思うべきだろう!!」
初めて見るバンの愕然とした表情に、シスカは心の底から楽しそうに笑う。
(な・・・何て女だ!!この俺様が股間の性剣を奪われるだと!!そんな事をしたら、もう二度と女を抱けなく成るじゃねえか!!俺にはこの性剣で、世界中の美女の心の鎖を断ち切るという、崇高な使命が有るのだ!!そ・・・それなのに・・この俺がオカマさんだと!!)
バンは生まれて初めて戦いに恐怖を覚えた。
だが、彼には同時に剣での戦いには、誰にも負ける訳が無いという自信とプライドが有る。
「い・・・良いだろうその提案受けてやる!!その代わり俺が勝ったら手前は、一生俺のチンポ奴隷だ!!」
「良いだろう!!さあ!!剣を抜け!!バン・バッカーズ!!」
バンとシスカ・・・二人の剣士は、戦女神ミネルヴァの神殿で、一人の巫女に見守られながら、同時に剣を抜き放った。

二人は十歩ほどの間を取って向かい合っている。
先に構えを取ったのはシスカだった。バンの真っ正面に向かって剣を構える。
それは守りの構えだった。
剣を上げるか下げるかしなければ相手に斬りかかれない。
続いてバンもゆっくりと剣を構えた。
シスカに余裕のある所を見せたかったのだが、はたしてどれ程の効果があったろうか…。
「来い!シスカ!」
バンはジッとシスカの瞳を見て言った。
見えない火花が飛び散る。
先に目を逸らしたのはシスカの方だった。
“勝てる!”とバンは思った。
「来ねえんならこっちから行くぜぇ!!」
バンは剣尖を上げて間合いに踏み込んだ。
上段まで上げずにそのまま斬り込んだ。
だが、シスカは動かなかった。
バンの剣尖はシスカの身体には到達していなかった。
フェイントだったのだ。
(やべぇ…!!)
バンは慌てて飛び退いた。
彼はシスカが退くと思っていたのだ。
だがシスカは動かなかった。
(クソッ…こいつ、一体何を考えてやがる…!?)
バンの顔から血の気が失せていった。
構えも段々と堅くなっていく。

シスカは初っ端から守りに入った。
これがまず予想外だった。
だが彼女は視線を外した。
これで勝てると思った。
だからフェイントを仕掛けた。
ところが彼女は動かなかった。

…バンはシスカが何を考えているのかが、さっぱり解らなくなってしまった。
解らないというほど恐ろしい事は無い。

(フフフ・・・どうやら作戦が図に当たった様だな・・・)
シスカは自分の作戦がバンとの決闘に有効だった事に、内心笑みを浮かべた。
(この男の剣は、性格や言動の破天荒さとは裏腹に、後の先を主とする正統派の守りの剣だ。この男と戦う時に無暗に攻める事は、絶対に避けねば成らない・・・攻める事に気を取られ、一瞬でも気を抜けば、その隙を突かれてカウンターを決められてしまう・・・エルティアという剣闘士とこの男の試合を見て、それが分かった・・・)
二年前の大会で、大陸最強と言われていた剣闘士が招待され、その大会の決勝で、当時十六歳の若さで早くもパラム最強の剣士と噂されていたバンとの試合が行われた。
その試合では、始め二つ名の通りに疾風の様な速さでバンを責め立て、試合を優位に運んだエルティアだったが、トドメを刺そうとする一瞬の隙を突かれ、バンのカウンターを食らってしまった。
本来ならばその一撃で終わっていたハズの試合だったが、エルティアは超人的な反射で致命傷を避け、同時に自らの一撃をバンの体に叩き込んだ。
その結果双方共に互いを攻め切れず。相打ちで引き分けと成った。

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