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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 14

「それでクソ・・・いえ・・・ロザリー姫様がどうなされたのですか?」
「ウム!!実はのうお主にロザリーの婿に成って欲しいのじゃ」
「・・・・・・・・はあ?」
国王の言葉は、バンにとってある意味、自分がダモクレスの聖剣を引き抜いた事よりも、意外な物だった。
「い…一体何がどうしてそういうお話に…?」
「バンよ、そなたは自覚しておらぬやも知れぬが、そなたは今や物凄い存在なのだぞ?なにせ戦女神ミネルヴァより賜りし聖剣の使い手に選ばれた男なのだからな。今そなたが腰に下げている聖剣は、伝承によれば“この世の森羅万象ありとあらゆる物を斬り裂く”と伝えられておる。そなたは今や我がパラム王国は元より、このエスパニア世界最強の剣士なのだ。解るな、バン。そのような者には然るべき地位と栄誉が無くてはならぬ。そなたにはロザリーの他に王国軍の将軍の位も授けようと思うておる。剣士としてこれ以上無い名誉であろう…」
国王はそこで一度言葉を切ると、悪戯っ子を見るような苦笑半分の笑みを浮かべる。
「それに何でも二人は初めて会った日から将来を誓い合っていたそうではないか!!・・・本来なら一国の王女と如何に名門であるバッカーズ流剣術の後継者でも、平民と王女を娶せる訳には如何のだか、ダモクレスの聖剣を抜いた勇者となれば、姫の婿として申し分ない!!持参金として領地も付けよう!!そうすればお主も貴族の仲間入りじゃ!!新たに一家を起こしても誰も文句は言えまい!!」
「い・・・いやちょっと!!」
「何時もは素直なあの娘が、わしがどれほど言っても、結婚を嫌がるので何故かと疑問に思っていたが、まさかお主とその様な約束をしていたとは・・・いやはや女の子と言うのは、父親が思っているより、遥かに早熟な物なのじゃな・・・父親としては嬉しいような悲しいような複雑な気分じゃ・・・」
国王はそう言うと親バカ丸出しで、溜息を吐く。

「いや・・・お願いだからこっちの話を・・・」
「ハハハ!!照れるな照れるな!!安心せえ・・・可愛い娘の為じゃ・・石頭共の説得は任せておけ」
「あのそうじゃ・・・」
「良し良し善は急げじゃ!!明日にでもお主らの婚約を発表しよう!!」
「おい!!人の話を・・・」
「では執務が残っておるでの・・・また後で・・・ああ!!若いのだからある程度は仕方ないが、浮気は程々にの!!余り派手にやると姫にあいそを尽かされるぞ!!」
「そうじゃ無くて!!」
「失礼します・・・陛下そろそろお時間に成ります!!」
部屋の扉が開き、国王の秘書官がそう告げる。
「ウム!!ではバンよ娘を頼んだぞ!!」
そう言うと国王は部屋を出て行った。
国王が退出したその部屋には、ただ茫然と佇むバンとメリサリムの二人だけが、残されていた。

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