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聖剣物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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聖剣物語 101

そんな話をしていると納屋の外が何やらガヤガヤと騒がしくなって来た。
「…?」
次の瞬間、戸が勢い良く開けられて真っ青な顔をした長老と村の男達がドカドカと踏み込んで来た。
「な…何だよテメェら!?まさかやっぱり気が変わって殺しに来たとかじゃねえだろうなぁ!?」
「ひいぃ〜!!た…助けてくださぁ〜い!!」
「クッ…もはやこれまでか…!」
5人は焦った。あるいは聖剣の勇者である事がバレたのかも知れない。ところが…
「「「す…すいませんでしたぁーーーっ!!!!」」」
「…へ?」
村人達はバンに向かって一斉に土下座したのであった。バンと女達が唖然としていると、村人達は縄を解いてくれた。長老がおずおずとバンの前に歩み出て、まるで神に供物を捧げるが如く恐る恐る何かを差し出した。
「こ…これは、あなた様の物でございましょう…?」
「あ…」
それは枢機卿ゲズマから貰ったアザトゥス教団の信徒である事を示す腕輪だった。
おそらく没収した荷物を漁っていて見つけたのだろう。それで仲間だと思われたようだ。だが何故こんなに遜(へりくだ)るのだろうか?すると長老が言った。
「八連の紅眼のウロボロス…まさか大司教様とは知らず、とんだご無礼をいたしました!どうか…どうかお許しくださいませぇ〜!!」
「「「本当に申し訳ございませんでした大司教様ぁ〜!!!」」」
(……なるほど…)
バンは納得した。どうやらこの腕輪は教団内での地位を表しているらしい。見張りの娘は“大司教は40〜50人”と言っていた。教団全体の規模は不明だが、かなりの大幹部と間違えられているようだ。
(…そういう事ならコイツを利用しない手は無えな…)
バンはニヤリと笑って言った。
「あぁ!全く酷ぇ目に合わせてくれたなぁ!?この落とし前どう付けてくれるんだぁ!?何てったって大司教様を縄で縛って監禁したんだからなぁ…あぁん!?」
「ひいぃ〜!!どうか…どうかご容赦の程を〜!!」
長老と村人達は再び地べたに這いつくばるように土下座した。
(ハ〜ッハッハッハァッ!!!こいつぁ良い気分だぜぇ〜♪)
バンはすっかり良い気分だった。そんな彼の耳元へシスカが囁く。
(…主殿、悪ふざけも程々にして、バレない内に早く逃げましょう)
それにアレイダも続ける。
(…そうだよバン、せっかく向こうが勝手に勘違いしてくれてんだから…)
(…いや、もう少し…もう少しの間だけこの村に留まる!)
(((エェ〜ッ!!?)))
バンの言葉に女達は仰天した。アイラとメリサリムは(村人達の目さえ無ければ)バンに掴みかからんとする勢いで抗議した。
(あ…あんた一体何考えてんのよ!?)
(そうですよ勇者様ぁ!バレたら今度こそ殺されちゃいますよぉ!?)
(お前らこそ良く良く考えてみろ!これはまたと無いチャンスなんだぜ!?アザトゥス教団の実体を把握する絶好の機会だ!)
(……幹部のフリしてれば女にモテると思ってるんでしょ…)
的を得たシスカの指摘にバンは図星を指されて動揺しつつ答えた。
(そ…そそ…そんな事は断じて無い!これはあくまでも敵を知るための“潜入操作”だ!)
(あんたに潜入操作なんて無理よ!)
悪魔で潜入操作とシラを切るバンであったが、アイラに潜入操作は無理ときつく言われる。
徹底的に自分のアイディアを否定され図星を指されたバンはが言い返そうとすると。
(そこまではっきり言うこと無いだろう。俺なりに考えたんだぞ)
(まあまあ、今夜は泊まったほうが良いと思うよ。夜の旅路はモンスターや野盗に遭遇しやすいからね)
夜の街道を出歩く危険性をアレイダは説きながら一晩泊まる事を勧める。
このアレイダの意見にアイラ、メリサリム、シスカは納得する。
(どっちも蟻地獄ね) (でも、気をつければ良いですね) (そういう事だな)
(流石アレイダ!話がわかるぜ!)
そして、自分の考えに賛成して意見を纏めてくれたアレイダにバンは感謝をするが、軽率な行動は慎めとバンに注意する。
(でも、バン今夜一晩は大人しくしろよ!ボロが出たらあたしらは一巻の終わりだからね!)
(ちっしょうがねえ[なんか、アレイダがリーダーみたいじゃねえか?])
アレイダに窘められバンは渋々承諾するが、主導権をアレイダに握られつつある事に気付いていた。

「大司教様方、どうなされましたか?」
バンたちのヒソヒソ話に長老と村人たちは自分たちは何か粗相をしたのではないかと不安になるが、
突然バンの腹の虫が鳴り出して、バンは腹が減ったと叫び夕飯の用意を村人たちに命じた。
グウ〜ググウ〜
「おっ何でもねえ〜それよりも腹が減ってるんだ飯を用意しろ!飯を!」
「はっはい!かしこまりました!」
そういうと長老と村人たちはバン達の為に夕飯の準備を初めた。

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